政次がいなくなった事を、直虎の心は受け入れる事が出来ませんでした。

そんな時、政次の最後の言葉で直虎は現実に引き戻されます。

さて、気賀では徳川軍が攻め入る中、龍雲丸に危機が!

直虎は駆け出していました。

 

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目次

第35話『蘇えりし者たち』あらすじ(ネタバレ)!

 

 

龍雲丸たちは・・与太夫たちは・・ 

気賀の人々はどうなったろう?

 

矢も盾もたまらず、直虎は気賀に向かった。

南渓をはじめ、傑山、皇天ら僧たち、方久も辰もが同道する。

 

堀川城は、目を覆うような有様だった。

壁には血が飛び散り、床には切り落とされた腕や足が転がり、城兵や、巻き添えになった民百姓の骸の山ができている。

 

直虎は立ち尽くした。

われが、気賀に城など・・・・

 

生きておる者を南渓らは探した。

前後際断です。次郎。生きておる者を探しましょう。

 

すると、直虎は見覚えのある長髪の男を見て、駆け寄った。

頭か・・・頭か?!

 

あちこちに手傷を負い、脇腹をざっくりと刀で斬りつけられた龍雲丸が倒れている。

直虎の呼びかけに反応はしていないが、かすかに呼吸の音が聞こえる。

 

虫の息の龍雲丸は、傑山達によって龍潭寺に運び込まれた。

皇天と、小坊主が龍雲丸の傷口の泥を落としていると、龍雲丸が唸り声を上げた。

 

次郎、血止めの薬を飲ませてみましょう。

皇天がそう言って、飲ませ様とするが、口からダラダラとこぼれてしまう。

 

すると直虎は、薬湯を口移しで飲ませた。

すると、龍雲丸の喉がコクリと上下した。

 

そして、直虎は肌着一枚となって、龍雲丸にぴたりと体をくっつけ温める。

・・戻ってこい、頭。戻ってきてくれ。

 

南渓と皇天、方久は、庫裏に集まっていた。

城兵は独り残らず討ち取られ、気賀の民百姓もことごとくなで斬りにされていた。

 

・・・大沢に城を乗っ取られ、私と、くしくも中村屋も、徳川様に相談に参ったのです。

うなだれていた方久がぽつぽつと話し始めた。

 

与太夫の船で城に連れられた気賀の民を逃し、力をそそいでから大沢の兵を攻め落とすと家康は約束したはず・・・

 

ですが、さような事はなさらず、城に乗り込まれ・・・大沢を下らせるには、見せしめがいると言うておられました。

冷酷非道さに、南渓と皇天は言葉も無かった。

 

この徳川のやり口は、遠江の国衆に、ただならぬ恐怖を与えた。

忠次のもくろみ通りだ。

 

しかし、家康は忠次ほど非情になれなかった。

降伏してきたただの民まで、射殺したそうではないか。そこまでせずとも湖岸は落とせたのではないか。

 

しかし忠次や忠勝は、逆らえば恐ろしい事になると示す事は肝要ではないかと、家康に言った。

そんな2人に気づかれぬ様、家康は碁を打ちながら数正に言った。

 

常慶を呼べ。誰にも気づかれぬ様にな。

 

龍雲丸の命

 

龍雲丸は、高熱に襲われていた。

直虎は疲れと寝不足で、ふらふらだ。

 

皇天から休むようにきつく言われた直虎は、自分が倒れては逆に迷惑をかけてしまうと思い、部屋から出た。

 

部屋を出たところで、十二、三歳位の武家の少年が、何やら包みをかかえて、従者を連れて立っていた。

そなたは?

 

鈴木重時が一子、重好と申します。

鈴木殿の・・・

 

鈴木重時は、大沢攻めで徳川として参陣し、亡くなったのだ。

こたび、私が跡を継ぐ事になりまして、どうか井伊の殿に経をあげていただけぬかと。

 

井伊と深い仲でありながら、鈴木は近藤に協力して井伊谷を乗っ取りに来た。

政次の世辞と碁石を持って来てくれたのは、自身の後ろめたさからだろう。

 

父のやった事は、存じております。しかし、父は生前、殿・・・次郎様の歌う様な経を聞いてみたいと申しておりました。

 

前髪を落としたばかりの少年に頭を下げられては、直虎も断りきれなかった。

そして経をあげ終え、重好に向き直って一礼した。

 

美しい経でございました。父も喜んでおりましょう。かたじけのうございました。

・・・・そなたは、父上の代わりに参陣なさるのか

 

はい。

そして、一度辞儀をして帰った行った。

 

そこへ辰が息せき切ってやって来た。

頭が!

 

直虎は飛ぶように部屋へ入っていくと、龍雲丸はうつろながらも、目が開いていた。

変わった経が、聞こえてきて・・・なんでぇと思ったら・・・

 

よう・・・よう、戻ってきたの・・

そんな直虎の喜ぶ様がうれしく、龍雲丸は傷の痛みに顔をしかめながら微笑んだ。

 

翌朝、薬湯の入った茶碗を方久から渡された龍雲丸は、一気に飲み干した。

自分で飲める様になりましたなぁ。

 

直虎も、その姿をしみじみと見ていた。

吸い飲みでも受け付けず、一時はもう、どうなる事かと・・・

 

あの・・・吸い飲みでなきゃ、俺ぁどうやって飲んでたんでさね。

あ、お・・和尚様が、口移しでの。

 

龍雲丸に訊かれた直虎が、ぎくりとしてつい、そう答えた。

お、和尚様が?

 

そうつぶやきながら、龍雲丸は、自分の唇を触っている。

そこへ、南渓がやってきた。

 

龍雲丸が気まずそうに目を伏せる姿を見て、直虎は思わず噴き出した。

笑い転げる直虎を見て、龍雲丸もつられて笑う。

 

何がそんなにおかしいんでさぁ

そんな二人を南渓が微笑んで見守っていると、傑山が急ぎ足でやって来た。

 

和尚様、次郎。近藤の者が・・・

三人は、はっとした。

 

かつての盗賊団一味の頭がここにいると、どうしてばれたのだろうか。

面目を潰されたら、絶対にやり返さずにはおかないという近藤の執念深さは、身にしみている。

 

どれ、わしが行こうと、南渓が出ていった。

その間に龍雲丸は、布団から出て逃げようとしている。

 

そこへ南渓が戻って来た。

大事ない。館の重病人を見て欲しいというだけじゃと。

 

かような時にだけ。都合の良い事じゃ。

気は全く進まないながら、直虎は皇天について井伊の館にやって来た。

 

驚いた事に、重症の重病人というのは近藤である。

政次を殺した者をなぜ、わざわざ助けなければならない・・・

 

葛藤しながら近藤の側に寄って見てみると、脚に直視出来ぬほどの大怪我を負っていた。

堀川城の戦いで深手を負い、近藤方の医者では手に負えないらしい。

 

熱にうなされた近藤の目が開き、直虎を見て凍りついた。

何故、こ、この者達が・・・わ、わしを殺す気か!

 

・・・殺すつもりならば、このまま捨て置きます。

直虎はそう言い、近藤の脚をきつく縛っていた布を切った。

 

一方、常慶に手はずを整えさせた家康は、極秘裏に氏真と会っていた。

何故、余を助ける?

 

家康の方から和睦を申し入れてきたのである。

我が方もすり減ってきておりますし、そちらも同じ事かと・・・』

 

更に、家康は続けた。

私は、なにも好んで戦をしておるわけではございませぬ。せねばならぬ様に追い込まれるだけで。

 

氏真といえば、本拠地・駿府を一日で灰にされ、信頼していた重臣たちの裏切りに遭い、いまや残っているのは、わずかな家臣のみ。惨めなものだ。

 

和睦はありがたいぞ、三河守殿・・・

それを聞いた家康は、せめて敬意を表して、頭を下げた。

 

龍雲丸と井伊家

 

龍雲丸は、日に日に回復し、床からも起き上がれる様になった。

家や土地はのうなりましたが、皆様生きておられるのだし、民百姓も戦には連れてゆかれねえと聞きやしたし、井伊はさして負けてはおられぬのではないですかね?

 

・・・しかし・・・但馬を失のうてしもうた。

直虎はぽつりと言った。

 

そこへ、直之が現れた。

直之を別の場所に連れて行き、直虎は気賀の事を話した。

 

さような成り行きで・・・

方久も。今や一文無しでな。

 

気の毒そうに言う直虎を見て、直之はため息をついた。

あんな目に遭っても、まだお人よしは直らないらしい。

 

そして直之は、一通の文を直虎に手渡した。

皆様からにございます。もう贅沢は出来ませぬゆえ、皆で一通に・・・

 

あやめは高瀬に習い、薪割りを始めたという。

祐椿尼やなつは、大量の野菜を洗ったり、水をくんだりしていると書いてある。

 

そして、面白い事があったと書かれている。

亥之助と直久が白い石と黒い石を使って碁を打っているらしい。

 

しかし、この二人の碁がなかなか進まず、お互いの手筋が同じではないかという。

― その訳は但馬でした。 ―

 

共に政次に手ほどきを受けた者同士。

これは、政次と政次が戦っている様なものだった。

 

その姿を見て、なつが泣き崩れた。

皆が泣いたが、それは嬉しさもあったのだ。

 

それに、これまで触れがたかった政次の話も出来る様になり、今では但馬のまねなども流行っているらしい。

1番上手いのは、弥吉だと書いてある。

 

そうか、そうか。

一度、参らねばならぬな。そう思いながら直虎は涙を拭った。

 

龍雲丸は、廊下からその様子をのぞいていた。

すると、前方から見事に剃りあがった頭の方久と辰がやって来た。

 

その頭・・・

龍雲丸が目をむいた。

 

皇天様に弟子入りしようと決めました。そして、薬を売るのでございます。

龍雲丸は、呆れた。

 

もう、戦道具は売りませぬ。戦道具と同じほど儲かり、しかも人を助けるものは薬にございます!そして、再び巨万の富を得とうございます。

 

・・・ま、毒は売らねぇようにな。

そうじゃ、頭は、この後どうするのじゃ?

 

そうでさぁねぇ・・・

空に雲が流れる様を龍雲丸は、見つめていた。

 

直虎が直之を見送って戻ってくると、小坊主達がざわついている。

龍雲丸の姿がどこにも見えないのだという。

 

起き上がれる様になったとはいえ、完治にはほど遠い状態である。

直虎は駆け出し、気賀の龍雲党の根城に向かった。

 

頭!頭、おらぬか?!

薄暗い中に目を凝らすと、奥にうずくまった人影が見える。

 

尼小僧様・・・

全く、なんという無茶をするのじゃ。

 

誰か、戻ってきてはねえかと思ったんですがね。

少し震えを帯びた声を聞いた直虎は、手を止めた。

 

悪運が強ぇというか・・・なんで俺だけ生き残っちまうんでさぁね。

われも同じじゃ。わればかりが生き残る。なれど、そなたを助ける事が出来た事だけは良かった・・・・

 

それ以上胸が詰まって、言葉にならない。

すると龍雲丸が、手で自分の目を覆い隠し、もう片方の手で、そっと直虎の手を握りしめた。

 

掛川城では、氏真と春が、慌ただしく出立の支度をしていた。

春の実家・北条家へ見を寄せる事にしたのである。

 

徳川様が、それがよいと

そんな夫の姿に悲壮感はない。そう思った春は、晴れ晴れとした気持ちになった。

 

・・・叱られるかもしれぬが、肩が軽うなった。桶狭間から十年、わしは身の丈に合わぬ鎧を着せられておったような気がするのじゃ。

 

氏真と春は、わずかな手勢を連れて、夜のうちに掛川城を出立した。

今川氏は滅亡し、かくして、遠江全域は徳川の治める事となった。

 

朝になって入城してきた家康に忠次が言った。

これで済むとお思いですか?武田は怒り狂いましょう。今度は何を仕掛けてくるか。

 

・・・まぁ、何とかなるのではないか?

家康は、自分に言い聞かせる様に言った。

 

同じ頃、龍雲党の根城に二人の姿は無く、短い伝言が残された。

井伊で待つ』と・・・

 

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第35話『蘇えりし者たち』放送終了後の感想!

 

 

いやいや、ホント龍雲丸が生きてて良かった。

あらすじは解ってはいるものの、最初に直虎が見つけた時は『ん?死んでるんちゃうん?』って思ったからねー。

 

で、例の『口移し薬のませ作戦!』決行よ!(って、別に作戦ちゃうけど・・)

でも、あれ見て思ったけど、本当にあんなやり方で、人間は薬を飲む事が出来るのか・・・?

 

では、検証~!

・・・とはいきませんが、すごく謎でした。。。

 

で、直虎は寝ずに看病してた訳ね。

あんなフラフラする位やったら、はよ寝なさい。って思わず言うたわ。

 

で、皇天にうながされ、廊下へ・・・

よっしゃー寝れるぞ!』と思ったのもつかの間・・・

 

鈴木重時の嫡男が・・・^^;

で、父親の為にお経を唱えてくれと・・・

 

絶対『ちょー、マジ眠いしっ!寝かしてーな。』って思ったはず!

でも、鈴木ジュニアから逃げられず、お経を唱えるハメに・・・

 

で、やっと寝れる~!と思ったのもつかの間。

頭が!』ってな事がっ。頭が目を覚ましたっちゅーではありませんかっ!

 

(しかし、字で見ると『頭が!』が、『あたまが!』って読んでまうわ・・・^^;  )

 

結局、次郎寝れずの巻・・・となり、夜にやっと寝れる。みたいな・・・

 

そして、その次の日に龍雲丸が、自分に薬を飲ませた事について、『俺ぁどうやって飲んでたんでさね。』って質問したけど、直虎に『和尚様が・・・』って言われた時の顔!!

 

かなり面白い表情やった。。。(^^)

その後、和尚様を意識する・・・みたいな。

 

龍雲丸と和尚様のシーンもすごく笑けたけど、隠し里の皆さん・・・政次のマネしてるて・・・^^;

まぁ、ええけどさー。

 


くれぐれも、但馬をバカにしてるのではありませんよ!

これは、但馬を偲んで・・・と自分に言い聞かせる。^^;

 

 

しかし、阿部サダヲさん演じる徳川家康って、あんなに温厚な雰囲気だったんでしょうかねー?

阿部サダヲさんが演じているから、余計に穏やかな武将だなぁって印象やけどね。

 

ただ、『鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス』のイメージがあるから、なんだか我慢強くて、気が長いのかな。とは思ったりするけど。。。

 

それに徳川家康は、戦に関して慎重派だったと言われているし、更に阿部サダヲさんの雰囲気もあって、あんな雰囲気なんやろね。

 

あと、方久・・・・

やっぱアレは、改心せんわな。^^;

 

ツルツル頭になったのを、前回予告で気になった人も多かったみたい。。。

 


あんな悲惨な事になったから、(堀川城)方久もかなり傷ついた顔してたし、心入れ替えたと思いきや・・・

薬で儲けるかぁ。。。

まぁ、それはそれで良い事やねんけど、なんか金の亡者的なところは一生治らんわな。って感じ。

 

最後の直虎と龍雲丸は、切なくもあり、ロマンス的な雰囲気だった。。。

音楽もそんな感じやったしね。

 

このまま龍雲丸との恋愛話も入れてって欲しいけどなー。

脚本家の森下佳子さん、頼んますよ!

 

それと、氏真。。。

尾上松也さんって、よく見たら、やっぱカツラとか似合う!

 

歌舞伎役者さんだけあって、戦国時代の武将姿がすごくよく似合うなぁって、今回しみじみ思った。

それに、少し情けない雰囲気の氏真を演じる尾上松也さんの上手いこと。。。

 

なんだかホント、穏やかな雰囲気に変わったのがはっきり解った。

 

まぁ、あと最後の感想は・・・

モジャひげ近藤、ざまぁみろ!。。。ってとこかな。(ひどっ)

 

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