さて、気賀で城を建てる事になり、井伊が気賀を取る立場となりました。
龍雲丸との距離が離れたと思っていた直虎でしたが、気賀で目指すものが同じとなれば、今後の展開も気になるところです。
目次
第28話『死の帳面』あらすじ(ネタバレ)!
今川氏真の妹・鈴は、武田家嫡男の義信に嫁いでいたが、その義信は父・信玄への謀反を企てた事が露見し、自害に追い込まれる。
夫亡きあとも、鈴は甲斐に留め置かれていた。
ここで動きを見せたのが寿桂尼である。
みずから甲斐におもむき、孫娘・鈴を駿府に返す様、信玄に直訴するとともに、氏真の妻の実家である相模の北条家に、武田家との仲裁を願い出た。
これにより鈴は、駿府に戻され、とりあえずは武田家との決着はついた。
寿桂尼はさらに、越後の上杉家との和睦にも奔走する。
しかし、その代償は大きかった。
心の臓に病を発し、床に伏せてしまったのである。
気賀では、堀川城を祝う宴席が張られていた。
この席で直虎は、ある決断を明らかにする。
『私がここの城代にございますか?』
驚きを浮かべる方久に、直虎は笑顔を向けた。
『それが最もやりやすいと思うのじゃが。』
集まっていた中村屋をはじめ、町衆が次々に賛意を告げる。
それを聞き、方久が満面の笑みを広げた。
『瀬戸方久、お預かりするからには、気賀を銭のうなる地に変えてみせましょう!』
宴には、龍雲丸とその手下達も姿を見せた。
それを見た町衆が、一斉に歓迎の声を上げる。
『来てくれたのか。こっちじゃ、こっち。』
挨拶に来た龍雲丸に、来たのか。と直虎は言った。
『へぇ、ここから世を変えねばならねえんで。』
二人は互いにしか分からない笑みを交わした。
『では、気賀はうまく回りそうなのですか。』
碁石を置き、政次が言った。
直虎も一手打ち、『われが口を挟むことなど、ほとんどない様子じゃ。』
二手、三手と打ち、政次は口調を改めた。
『殿。そろそろ、戦の事を考えた方がよろしいかもしれませぬ。』
『今川と武田のいさかいは収まったのであろう?』
『表向きです。裏では武田は攻め込む手はずを整えておりましょうし、どうやら大方様のお具合もよろしくない様にございます。お亡くなりになれば、一挙に事が動くかもしれませぬ。』
愕然となる直虎に、政次は静かに続けた。
『寝返りが始まり、戦にもつれ込みます。このまま何もせずにおれば、今川方として駆り出されるだけです。そろそろ何か手を打たねば。』
『・・・・われらも寝返る支度という事か。』
思い返せば、直親が討たれたのも、今川に背を向けようとしたのがきっかけだった。
『・・・・直親の敵をとってやらねばならぬな。』
寿桂尼が見せる涙
翌日、南渓が館に姿をみせた。
差し出された封書を受け取り、直虎は驚いた。
寿桂尼の名が記されていた。
『今朝方、寺宛に届いての』
急いで封を開くと、おなご同士、腹を割って語り合いたいといった文面が並んでいた。
『恐らく会えるのも最後になろう。お主も話したい事を話してきてはどうじゃ。』
その言葉に直虎は、従う事にした。
『忙しいところ、呼び出してすまなかったの。』
何かを書いていた帳面をぱたんと閉じ、寿桂尼が言った。
深く一礼して、直虎は答えた。
『滅相もない事でございます。大方様とお会いするより大事な事などございませぬ。』
その視線を追い、寿桂尼が苦く笑った。
『このところ覚えが悪くなっての。さまざま書きつける事にしたのじゃ。』
持参した包を開き、直虎は数枚の布を取り出して寿桂尼の方に押しやった。
『井伊で出来上がりました綿布にてございます。後見のお許しを頂きましてから三年。なんとか、かようなところまでこぎ着けました。』
手にした綿布をなでながら、寿桂尼が言った。
『そなたがのぅ。・・・大したものじゃ。』
面やつれし、背を丸めた寿桂尼は、ただの老女にしか見えない。
胸に切なさが込み上げた。
綿布をなでる手を止め、寿桂尼が直虎を見た。
『そなた、あれをどう思うておる。』
『・・・・あれ、とは?』
『直親の事じゃ。われらが何をしたかは、おおかた察しはついておるのじゃろう。・・・恨むなと言う方が無理であろうな。今でも恨んでおろう?』
ぎゅっと拳を握りしめ、直虎は返した。
『家を守るということは、綺麗ごとだけでは達せられませぬ。・・・大方様のなさった事を責められる者がおりましょうか。』
じっと見つめてくる寿桂尼に向かって続ける。
『狂うてでもおらねば、手を汚す事が愉快な者などおりますまい。汚さざるおえなかった者の闇はどれほどのものかと・・・』
寿桂尼がじっと目を閉じ、開いた。
涙が光っていた。
『そなたから、さような言葉を聞けるとは思わなんだゆえ。すまぬの。』
おんな大名と呼ばれた人が、こうまで弱くなったのか。
そう思うと、キリキリと心が痛んだ。
『年端も行かぬ小さなおなごが、お家のためにひたすらに鞠を蹴っておった姿は、いまだ忘れられぬ。・・・・瀬名の命乞いに乗り込んできたとき、徳政を覆しに来た時、そなたがわが娘であればと、ずっと思うておりました。』
ぽろぽろと隠そうともせずに涙をこぼし、寿桂尼は直虎の手を取った。
『どうか、わが亡きあとも、今川を見捨てないでおくれ。そなたの才覚をもって太守様を支えてほしいのじゃ。』
『・・・ご安心くださりませ。』
複雑な思いで、直虎も手を握り返した。
腹の探り合い
帰館した直虎は、すぐに政次を呼び上げた。
『大方様は、縁のある方一人一人にお別れをしておられるそうじゃ。』
『最後のお努めとお思いなのでしょうな。・・・今川の家臣や国衆の多くは、先代や先々代に受けた恩義がございます。大方様と会う事は、それを思い出す事になりましょう。少しでも、離反を食い止めようとしておられるのでしょう。』
『・・・それでも、われらは寝返るのじゃの。全ての恩を忘れ。』
『・・・井伊のお家を守る為です。』
同じ頃、寿桂尼は帳面の中身を氏真に見せていた。
ずらりと名が並び、半数近くの頭に『☓』印が付けられている。
井伊直虎もその一つだった。
『何ゆえに信用できぬ、とされたのですか。あのおなごはお気に入りかと思うておりました。』
『あれは、家を守るという事は、綺麗ごとだけでは達せられぬと言うたのじゃ。』
低く、力のこもった声で寿桂尼が返した。
『いつも、われが己を許す為に、己に吐いておる言葉じゃ。恐らく同じ様な事を常日頃思うておるのであろう。われに似たおなごは、衰えた主家に義理立てなど決してせぬ・・・』
『・・・では、井伊については筋書きどおりに』
そう問う氏真に、寿桂尼はうなずきかけた。
今川家が、上杉家と結ぶ策を講じている。
南渓に聞かされ、直虎と政次は思わず顔を見合わせた。
『使いの僧達が行き交っておるようでな。』
両家が結べば、武田家の三方を囲い込む事が出来る。
しかも、上杉家と武田家は犬猿の仲だ。
『武田は随分と苦しくはなろうの。』
『では、このまま動かぬかもしれぬのですか。』
『・・・徳川の出方一つかもしれぬな。』
武田家の頼みは織田家と、その下にいる徳川家だ。
家康が考えを変えれば、信玄は戦が出来なくなるかもしれない、と南渓は語った。
『徳川にそう働きかければ良いのではないのか。』
直虎はつぶやき、政次に向かって続けた。
『徳川が武田と組まねば、戦にはならぬのかもしれぬのじゃろう?ならば徳川に上杉と結び、武田を囲い込むが上策と進言すれば良いのではないのか。』
『おやめくださいませ。さような事が、もし今川の知るところとなれば、何を言われるか。』
『井伊は、戦を避けるのではなかったのか。これとて、戦を避ける事に変わりあるまい!』
直虎が自室に戻り、家康に宛てて文を書き出したその頃。
今川家では、寿桂尼の帳面に基づき、疑わしい者達の粛清が始まっていた。
次回! 【おんな城主直虎】29話あらすじ(ネタバレ)と感想!『女たちの挽歌』
【おんな城主直虎】浅丘ルリ子が演じる寿桂尼はカリスマ女戦国大名!
第28話『死の帳面』放送終了後の感想!
今回の第28話『死の帳面』は、本当に戦国時代デスノートでした。。。(-_-;)
皆さん、Twitter等で『デスノートに直虎の名前が書かれていた!』なんて言ってますが、まさにそんな感じでしたね。
想像以上にわかりやすいデスノートだった#おんな城主直虎 pic.twitter.com/m11oWvPd5H
— akir (@arien0727) 2017年7月16日
しかし、やっと武田信玄登場~!!
松平健さんが演じてるのが解りにくい位、インパクト大!の武田信玄で、びっくり!!
ま、ま、てっぺんハゲ的なイメージが武田信玄にはあるものの、松平健さんハゲ役でええの??
・・・・っと、これ以上は失礼!
それと、今回気になったのは『心の臓』って言葉。。。
『心の臓、心の臓』て・・・
心臓って言うた方が絶対、早いやん!
ま、戦国時代ですからっ!て事ですか。
今回の信玄はお茶目って言ったの誰だよ(笑)#おんな城主直虎 pic.twitter.com/Hf2fpRj0Hm
— 名前はまだ決まらない (@namaehamada_nai) 2017年7月16日
今回は、龍雲丸の登場が一瞬だけで、なんだか残念。。。
でも、その龍雲丸の姿を見た直虎の顔ったら・・・♡
あれは確実に、『恋してます♡』の顔やね!
しかし、龍雲丸はどう思ってるのか・・・う~ん、実に気になる。。。
で、今回は寿桂尼と直虎の腹の探り合いって感じでした。
2人の会話で、寿桂尼が『直親の事じゃ!』って言った時の顔ったら・・・
こえーの何のって・・・(-.-;)
さすがベテラン女優の浅丘ルリ子さん!やるねー!
てか、寿桂尼とにかくしぶとい。
武田信玄も、そらしぶといって言うっちゅーねん!
でも、やっぱすげーと思うのが、直虎の発した言葉で『われに似たおなごは、衰えた主家に義理立てなどせぬ!』と見抜いた事!
ま、腹の探り合い大会に出場した寿桂尼の勝利!って感じやね。
2位は直虎か・・・
2人しかおらんっちゅーねん!
・・・と、寒い一人ノリツッコミで凍りつかせてすみません。。。
今回は、政次の登場も少なかったし、私としては盛り上がりに欠けていたかなぁという印象の会でした。
来週に期待したいと思います。
次回! 【おんな城主直虎】29話あらすじ(ネタバレ)と感想!『女たちの挽歌』
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