前回の様子から察すると、寿桂尼と氏真は何やら計画を立てている様です。

直虎と寿桂尼は、お互いの腹の中を探った様ですが、直虎の方は見透かされている事に気づいていないようです。

さて、井伊家の選択は・・・?

直虎の運命は・・・?

 

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目次

第29話『女たちの挽歌』あらすじ(ネタバレ)!

 

 

- 戦をここでとどめるというお考えはないか。

例えば、御家が上杉家と結ぶなどして -

 

家康に宛てた書状を、直虎は傑山に託した。

傑山が持ち帰ったのは、『すぐには返事は出来ぬが、考えてみる』という返答だった。

 

明るく、確信に満ちた傑山の顔は、直虎に希望を与えた。

だが。。。。

 

その後、三河からの音信は無く、別の知らせが駿府からもたらされた。

大方様が、みまかられたそうだ。

 

政次の言葉に、直虎は絶句した。

今川家が混乱しているさなかに亡くなるとは、どれほどのご無念であろうか・・・。

 

尼御台とも女戦国大名とも呼ばれた寿桂尼の記憶を様々辿りながら、直虎は経を読み、鮮烈なる個性の安らかな眠りを一途に祈った。

 

数日後。

南渓の知己で、徳川家に出入りしている山伏の松下常慶が、龍潭寺を訪ねて来た。

 

お返事が遅くなり申し訳ございませぬ。三河も、もめておりまして。

事の起こりは、直虎が届けさせた書状だという。

 

徳川家は、その進言を認め、上杉と通ずるべく密書まで送らせました。しかし、同じ頃、武田からも話が来たのでございます。

 

話とは、徳川家と武田家が同時に今川領に攻め込み、大井川から西を徳川、東を武田で切り取ろうというものだった。

 

家内の意見は割れた。

が、結局は武田家に従う事になり、家康の意向は退けられていた。

 

・・・・では、戦になるのはもう避けられぬと。

恐らくは今年のうち、遠江には徳川が攻め入る事になろうかと。井伊はそれでも、今川方として戦うおつもりかと、確かめに参ったしだいにございます。

 

それでも?・・・・それでも?とは?

あの書状は明らかに、今川にお味方する者のご意見かと。

 

戦そのものを避けたかったというだけじゃ!

では、徳川にお味方なさいますか?

 

もはや、引き返せない。

・・・・出来れば・・・さようにと考えておる。

 

では、人質に虎松様の母君を頂きとうございます。

しの殿を?! 直虎はうろたえた。

 

お待ちあれ、何ゆえ人質を渡さねばならぬ!

書状の事のみならず、井伊は今川から離れぬのではないかとも見られておるのでございます。

 

しかし、今川の手前、人質を三河によこす訳にもまいらぬであろう。

私の実家の松下ではどうかと。ちょうど兄が後添えを探しておりまして。そこに嫁ぐという形ならば、まず目に留まる事はないかと。

 

虎松には父がおらぬ。このうえ母まで奪えと、そう言うのか!

では、お考えくださいませ。また参ります。

 

直虎の言葉を無視して言い、常慶は辞去した。

入れ違いに入ってきた政次が言った。

 

勇み足となってしまいましたな。

あの書状が、かような事になるとは・・・・

 

言いにくければ、私からしの殿に言いましょうか。太守様より下知が下ったとでも。

われから言う。せめて、ののしり位は受けねばの。直親は・・・・、草葉の陰で怒っておろうな。

 

しのの覚悟

 

話を聞いたしのは、一つ大きなため息をついた。

要するに、殿が大それた事をおやりになったせいで、私を人質にという話になってしまったという事にございますか。

 

直虎としては、ただ頭を下げるしかない。

まこと、もう、どうわびてよいものやら・・・

 

しのは直虎に怒りを向けたが、結局はこう言った。

虎松には、なんと話せばよろしゅうございますか?

 

恐る恐る頭を上げ、直虎は聞いた。

行ってくれるのか?

 

こうなれば、致し方ございませんでしょう。

胸が痛み、同時に安堵するという、不可思議な心持ちに直虎は陥った。

 

数日後、話を聞いたか、虎松が飛んで来た。

母は行きたくないそうです。今すぐ、取り消してくださいませ!

 

しのの真意が計りかねたが、直虎は虎松にも解る様に、丁寧に事情を説明した。

井伊は仲良くしたいと思っている家から、母上が嫁ぐならば信じてやろう、と言われたのだ。

 

それは、人質というものではないですか?

武家の婚儀というのは、えてしてそういうものじゃ。

 

嫁ぐのは、母上でのうてはならぬのですか?

井伊にとって大事なお方なら構わぬが・・・

 

虎松は知恵を絞った。

祐椿尼様は?・・・・出家しておられる。

 

高瀬様は?・・・・年が釣り合わぬ。

ならば殿は?・・・・殿もおなごではないですか!

 

われが行ってしまっては、誰が殿をやるのじゃ。

そう応じたものの、哀れでならない。

 

しのの胸のうちを探る目的もあり、直虎は屋敷に出向いた。

少し焚き付け過ぎた様です。

 

しのは、落ち着き払った顔で言った。

いずれ、虎松は当主となる身。近しい者を人質に出さねばならぬという事を考える、よい機会とも思いまして。あえて行きたくないと言うてみせたのです。

 

私は嫁ぐし、虎松にもきちんと言い含める。

そう言い。居ずまいを正して、しのは続けた。

 

私が嫁ぐという事を、うまく取引にお使いください。井伊の為になる様に・・・。そして、いつかその話を虎松にしてやってくださいませ。

しのの覚悟に胸が熱くなった。

 

涙をこらえ、作り笑顔で『心得た。』と直虎は返した。

 

新たな旅立ち

 

さんざ考えてくれて、母はうれしく思いますよ。

うつむき、口をへの時にしている虎松に、しのは静かに語りかけた。

 

実は、虎松が考えている間に、母も考えた事があるのです。・・・・やはり母は行きたくなってしまったのですが、行ってよいですか?

 

虎松が、驚いた顔を上げた。

な、何ゆえに。

 

父上の望みだからです。と、しのは答えた。

そなたの父上は、あるお家と仲良くしようとし、殺されてしまいました。・・・こたび母が嫁ぐのは、そのお家と再び仲良くする為です。

 

嘘じゃ。』と、虎松が叫んだ。

母上は虎松と離れたくないはずじゃ。母上は虎松の事が一番お好きなはずじゃ、一大事なはずじゃ!

 

愛しい我が子を抱きしめ、しのは言った。

虎松は、母の宝です。だからこそ大事にしたいのです。

 

黙って聞いている虎松に、しのは続けた。

母は力強い味方を作ってやりたいのです。母が嫁げば、そこは井伊のお味方の家となるし、子が出来れば、そなたの兄弟が増えます。

 

このまま、この子とここで暮らしたい。

しのは一瞬、強く願った。

 

でも、それは出来ない。

今、望めるのは、ただ一つだけだった。

 

笑って送り出してはくれませぬか?

短い腕を伸ばして、虎松が抱きついてきた。

 

・・・・お行きになるまで、毎晩、虎松と共に寝てくだされ。

もちろんですとも。

そう返し、歯を食いしばって、しのは泣いた。

 

しの殿は、松下のお家に差し上げまする。

再び龍潭寺を訪れた常慶に向かって言い、しかし一つだけ望みがある、と直虎は言った。

 

徳川が攻め入ってきた折、われらは城を明け渡し、逆らいはせぬ。されどその先、兵を出す事もせぬ。

・・・・徳川に加勢はなさらぬ、と。しかし、それでは新たな地の安堵などは出来かねますが。

 

今以上の安堵は望みませぬ。・・・井伊の目指すところは、民百姓一人たりとも殺さぬ事じゃ。

・・・それが井伊の戦い方なのでございますね。

 

そう問う常慶に、直虎は強くうなずいた。

 

夏、しのは松下家へと旅立った。

蝉しぐれが盛んなくっきりと晴れた日だった。

 

井伊の居館に虎松を迎え入れ、直虎は優しく言った。

今日からは、われがそなたの養母となるが、母とは思わんでよい。われには、しの殿の代わりは出来ぬし、われの事は父と思うてほしい。

 

はい・・・

井伊家の跡取りは、けなげに答えた。

 

一方、駿府の今川館では、寿桂尼が残した言葉に従って、井伊をめぐるある企みが動き始めていた。

 

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さて、とうとう寿桂尼が亡くなりました。

また生き返るんちゃうか・・・と思ったけど、今度こそ完全にお亡くなりになられた様です。

 

それからなんだかややこしい状況になりましたね。

今回、久々に常慶がやってきて思ったけど、『常慶の話し方、冷てー!』って事。。。

 

あんなに無表情で、言葉にも感情がないやん。。。って思いました。

結局、人質を渡すという事になって、これまた久々、しのが登場!

 

久しぶりに直虎との言い合いを見たけど、やっぱり一味違っていたね。

以前の様な言い合いっぷりじゃなく、なんだか大人になったって感じ。

 

ま、直親のスケコマシ事件から直虎と打ち解け合う様になったって感じやけど、それ以外にも、歳を重ねていくうち井伊を守るという気持ちに変わっていったんやろね。

 

 

以前は、しのめ~!ってムカついてたけど、すごく良い感じになったなー。

しかし、虎松役の寺田心君。。。

 

あれで小学校3年生かよ!

ってな位、おさなすぎる。。。^^;

 

可愛すぎるー。

 

 

成長止まっとんのか心配にもなってきた。

一生懸命考えてる虎松が可愛すぎて、何度見ても『小3かよ!』って、ゆーてまう。。。

 

それと、直虎がしのに2回目、頭を下げに来た時、しのが頭を下げる直虎にしていた態度に思わずびっくり!

 

いやいや、一応殿やろ。

デコ、ペチって。。。^^;

あれ、アドリブ?

いやいや、NHKはアドリブ無いか・・・

 

そして、クライマックスは虎松としのの別れ・・・

虎松が『母上は虎松の事が一番お好きなはずじゃ。

 

ウルウル・・・っときたね。。。

が、次のしののセリフ。

 

その通りですっ!』の声が、どこぞのオヤジや?と思う位、太い声やったけど、大丈夫?なんか乗り移ってた?^^;

いやー、しのはん、立派な声量やわ。

 

で、最後は旅立つ時に自分の息子の笛の音が・・・

そりゃ泣くわ。

感動やったなー。

 

でも、最後は氏真ピーンチ!状態やったね。

寿桂尼の計画や、今後の動きが楽しみです。。。

 

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