今川の策略で井伊家が潰される方向へ向かっている様です。
しかし政次がそれを察し、方久に問い詰めました。
方久は、裏切りという立場にはなったものの、心底裏切る気など無かったんでしょう。
しかし、直親の時と同じ悲劇が繰り返されぬ様、政次は考えます。
そして、直虎を羽交い締めにしました。
それは、何を意味するのか・・・?
目次
第31話『虎松の首』あらすじ(ネタバレ)!
『わしらは、徳政を望まんに!』
瀬戸と祝田の百姓達は、皆訴えをやめようとしない。
『ええい、いいかげんにせぬか!』
そばにいた角太郎に関口の家来が刀を振り下ろそうとした、その時・・・
『お待ち下さいませ!』
政次が直虎の襟首をつかみ、引きずってきた。
『殿!』
六左衛門が叫ぶ。
『これは、殿が仕組まれた事か』
えっ・・・驚いて政次を見た。
『謀った事かと聞いておる!』
それを聞いた村人たちが口々にかばい出す。
『殿のせいじゃねえに!』
『おらたちが勝手に!』
政次の挑発に乗って、血の気の多い八助と、角太郎が立ち向かっていく。
そして政次は言った。
『では、ここではっきり仰せられよ。百姓達に、井伊は徳政令を受け入れ、この地を手放すと。』
それはかつてない、井伊家をひっくり返す決断だ。
『これは、わしらが勝手にやった事。』
そう叫ぶ百姓たちの声を聞きながら、直虎はじわりと汗がにじむ。
。。。信じろ、おとわ。。。
最後は、先程の政次の言葉が直虎の背中を押した。
『井伊は!』
そして一息に言い放つ。
『井伊は、徳政令を受け入れる。受け入れるゆえ、この者たちのした事は、お許しくだされ!』
八助は無念そうに、そして心配そうに直虎を見る。
『こうなったのは、おぬしらのせいではない。われが至らなかったからじゃ。』
百姓達は、言葉もない。その後ろで六左衛門が悔し泣きしている。
井伊家滅びる
表には姿を現さなかったくせに、関口は社殿でふんぞり返っていた。
『夜分、ご無礼いたします。わが主が徳政令を拒んでおると聞き、連れて参りました。』
政次が頭を下げる。
『なんじゃ、口ほどにもない。明日も待たず受け入れるのか。』
そう言って関口は笑った。
両の拳を硬く握りしめ、直虎は屈辱に耐えた。
そして、あらかじめ用意されていた書状が読み上げられる。
下知を聞きながら、かつての徳政令を巡る出来事が直虎の胸に去来した。
『井伊殿、委細相違ござらぬか。』
『・・・・相違ございませぬ。』
『では、本日をもち、井伊はこの地の安堵を失い、井伊谷は今川の直轄となる。』
関口が満足げに宣言し、直虎の目の前に書状が置かれた。
外では、泣きはらした顔で六左衛門が待っていた。
『・・・・戻りましょう。』
『うむ・・・』
主従は寄り添うようにして、皆の待つ館へと足を向けた。
翌日、直虎は祐椿尼から弥吉ら家人まで、井伊一門の者達を主殿に集め、井伊が潰れた事を伝えた。
『あの、それではこの先、どうなるのですか?』
そう言う高瀬に六左衛門が言った。
『今川に刃向かった訳でもありませぬし、そうひどい事には・・・・』
その時政次が、関口の手勢と小野の郎党たちを引き連れて入ってきた。
『もう、この館は井伊のものではない!急ぎ立ち退かれますよう。出ていかれねば、力に訴えねばなりませぬ。』
『・・・・分かった。すぐに立ち退くゆえ、手荒なまねはよしてくれ。行くぞ!皆!』
そう言って素早く指示を与えると、直虎は六左衛門を連れて龍潭寺へと駆け出した。
そこでは、虎松、直久、亥之助が手習いをしていた。
直虎は、つかつかと三人に歩み寄った。
『虎松、直久、われと共に行くぞ。』
『どこへ行くのですか?』
『あとで話す。よいから早うせよ!』
亥之助には可哀想だが、詳しく説明して言い聞かせている暇はない。
南渓が虎松の行先に傑山を向かわせたと言う。
『かたじけのう存じます。では。』
直虎と六左衛門は、虎松と直久を連れ、慌ただしく去って行った。
一人残された亥之助に皇天は言った。
『・・・井伊は取り潰される事になったので、皆、ここにはおられぬ様になったのです。』
『もしや・・・これは、伯父上がやったという事ですか?』
優しく諭そうとしたが、その前に亥之助は駆け出してしまった。
その後ろ姿を南渓と皇天は見守っていた。
『皆がここにおられぬ様になったと聞きました。それなのに・・・何故、何故、伯父上はここにおられるのですか?私は、信じませんでした。伯父上は誤解されていて、まことは、井伊に尽くしておられるのだと。』
『不服ならば、なつと共に出ていくがよい。』
ぴしりと厳しい言葉が飛んできた。
それを聞いた亥之助は、母もきっと嘆き悲しんでいるに違いないと駆け出し、なつの部屋の襖を開けた。
亥之助の予想に反して母は悲嘆にくれた様子もなく、政次の荷物をまとめていた。
『お帰りなさいませ。伯父上がしばし、井伊のお館に詰める事になるそうで。』
『母上は平気なのですか?伯父上は、井伊を裏切ったのでございますよ!殿を追い出し、皆を追い出し・・・・』
『なればこそ、ここにとどまらねばならぬと思いませぬか?ここにおればこそ、分かる事もありましょう。』
なつは静かに、そして、きっぱりと言った。
井伊を蘇らせる決断
直虎たちは、山深い川名の隠し里にやって来た。
そこには、先に到着した祐椿尼たちがいた。皆、暗い表情をしている。
そこで虎松と直久は、井伊が潰れたという話を聞かされた。
そして、暗くなっている一同に対して直虎が言った。
『井伊は確かに潰れた。じゃが、ひと月、ふた月のうちには蘇らせようと思う。』
『よ・・蘇らせるとは??』
『徳川と井伊は、すでに通じておる。』
何も知らなかった祐椿尼たちは衝撃を受けている。
『われらは、その折に徳川に応じて挙兵し、関口の首を挙げ、徳川に差し出す。さすれば井伊は瞬く間に蘇る事が出来る。』
『しかし、さように絵に描いたように、うまく事が運びましょうか。』
『もちろん、せねばならぬ事は山のようにある。まずは徳川に伝え、示し合わせねばならぬし、百姓たちにも言い聞かせていかねばなるまい。』
『あの、小野はどうするのでございますか?その折に成敗を・・・?』
梅の問いは、事実を告白するのに好都合だった。
『実は、但馬は全て知っておる。』
今までずっと政次は、井伊の敵のふりをし、今川からの盾となってくれていた事を打ち明けた。
『こたびは、今川の城代として城に入る事で、井伊を守ろうとしてくれているのじゃと思う。』
すると、六左衛門や、高瀬や、祐椿尼までが、但馬は井伊の味方では・・・?と、気づいていたという。
『分からぬはずはない、か・・・。』
しかし、骨の髄まで小野嫌いの直之は、いまだ疑念を捨てられない様だ。
『殿を籠絡し、我々にもまことのところ、味方なのでは?と思わせる・・・今のこの有様こそ、まさに騙されているというものではござりませぬか?』
『それは、無いと思うが・・・・。』
そこへ虎松と直久が、碁を教えてくれる政次のやり方は、井伊のこれからを考えておる人だと解る教え方だと言う。
子供の目は余計なものに惑わされないで人を見る。
その頃、氏真は相当に追い込まれていた。
信玄が上杉の国衆である松倉城の椎名康胤に調略を仕掛け、上杉は裏切った椎名を攻撃しなければならなくなった。
武田との頼みの綱である上杉が動けなくなった為、今川は大きな痛手をこうむる事になったのである。
『小野が合力を申し出て来た?』
そう言って問う氏真に、関口が報告した。
『大方様の目を疑うわけではございませぬが、但馬に関して歯向こうた事も無いわけですし、もう一度考えてもよろしいのではないかと。』
『では、井伊を断絶させよ。』
氏真は、ためらいもせず言った。跡継ぎである虎松の首を取れというのである。
『歯向いもせず、徳政令を受け入れた者をですか?要らぬ火種になりましょうかと・・・』
『断絶させよ!!』
もちろん直虎も、その辺りは察しがついていた。
十中八九、そうなるだろうとは容易に想像が出来た。
直虎は虎松に落ち延びる様に言って聞かせた。手はずは傑山が整えている。
『何故、虎松が身を隠さねばならぬのですか?虎松は、ここで皆と戦います!』
『子供が戦える訳がなかろう!』
と、次の瞬間、傑山が放った矢が虎松の頭上ギリギリを矢がかすめ、後ろの壁に突き刺さった。
『傑山殿!何を!』
血相を変えて向かっていこうとする六左衛門を直虎が手で制した。
怯えている虎松に傑山は近づいていった。
『・・・虎松様、戦場とはこういうものです。』
そして、直虎は虎松に大将が生き残る事の大切さを説いた。
『そなたは逃げ、われは取り返す。そうして、共に井伊を守るのじゃ。』
そうして虎松は六左衛門と共に川名の隠し里を発った。
直虎は、井伊がどうなっているか確かめたいと言い、心配顔の直之を残し、井伊谷に向かった。
虎松の首?!
龍潭寺に戻った直虎は虎松が無事発った事を南渓に伝えた。
その時、怒号が聞こえた。戸を開くと、小野の郎党が皇天を恫喝している。
『こちらへ虎松を引き渡されよ!』
そこには政次もいた。そして、直虎と目が合った。
『・・・これは一体、なんの騒ぎにございましょうか。』
『ここに虎松がおるであろう。おとなしく引き渡されよ。』
南渓が直虎の代わりに言った。
『井伊は、太守様の命に従い、家を畳みました次第。ひとつ理由をおきかせ願えませぬか。』
『太守様が、虎松の首をご所望じゃ。』
小野の郎党が南渓に刀を向ける。
そこへ政次が郎党たちに命じた。
『この尼を捕らえ置け!虎松が捕まらぬ折は、そなたでご満足頂く。連れて行け!』
連れて行かれながら直虎は、政次が何を考えているのか解らないと思っていた。
昨夜から閉じ込められている部屋で座禅を組みながら、直虎は考えていた。
『だめじゃ・・・。』
次から次へと悪い方へ悪い方へと想像してしまい、心にさざ波が立つ。
そこへ見張りの者が入って来た。
『庭へ来いとの仰せじゃ。』
『何故?庭へ?』
『虎松の首をあらためよとの仰せじゃ。』
そうして有無を言わさず部屋から連れ出された。
『あらためられよ!』
まさか・・・もし万が一虎松の首であったら・・・。
震える手で首桶を開けた。
中には、子供の首が入っていた。しかし・・・
『何故、かような厚い化粧をしておる!これでは分からぬではないか!』
関口の家来が怒鳴った。
『酷い有様だったので。』
政次が頭を下げる。
『酷い有様とはなんじゃ?』
虎松が、恐ろしい流行り病の疱瘡を患っていたので、礼儀として施したと言うのだ。
関口はじめ皆、流行り病と聞き、思わず身を引いた。
『いかが致しましょう?拭き取れと仰せなら拭き取ります。駿府へは?』
『さようなものを持ち込んで、駿府に疱瘡が出てはいかがする!』
その間、直虎と南渓と皇天は、経を唱えた。
直虎の経を聞きながら、政次はそっとまぶたを閉じた。
井戸端で直虎は、首桶を埋める為に穴を掘っていた。
そこへ南渓和尚から事情を聞いた龍雲丸がやって来た。
『手伝いやしょう。』
『よい・・・。頼む、向こうへ行ってくれ。』
『・・・その子の親は、その子を売ったんだ。もう長くもねぇって。その子は迷惑ばかりかけた親に銭をやれてよかったって、きっと、そう思った。』
直虎の手が止まる。
『あの人は、その子を斬った事、恐らくこれっぽっちも悔いちゃいませんよ。』
直虎は、短い命を終えた名も知れぬ子と、罪を一身に引き受けた政次の為にも泣いた。
そのころ政次は、井伊の館で庭を見つめていた。
『伯父上、かけがえのない友を、かたじけのう、存じます。』
『・・・・何の事じゃ。早く休め。』
義兄上は、どこまで修羅の道を歩みなさるのか・・・
隣で酒の支度をしていたなつが、痛ましいそうに政次を見やる。
小野但馬守政次は、井伊谷を手に入れ、直虎は新たな井伊家復活の闘志を手に入れたのだった。
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寺田心【おんな城主直虎】虎松から井伊直政の菅田将暉へうまく繋がる?
【おんな城主直虎】井伊直政(虎松)の最後は?妻や息子も気になる!
第31話『虎松の首』放送終了後の感想!
いやいや・・・・
今回は、いきなり初めから、『関口ムカつくわー』と思ってしまいました。。。^^;
ほんま、あの憎たらしさを表現する、矢島健一さんはすごいよ!
なかなかの憎たらしさやわ。
今回も可愛い虎松を演じた、寺田心君。。。
六左衛門に抱えられた虎松を見て、改めて『え?この寺田心君って小学校3年やんなー?』と、再確認したわ。
小3を抱える六左がすごいのか・・・
寺田心君が、6歳児並なのか・・・
どっちやねん!
って事が気になりました。
それと、今回の政次っつぁーん!!
まずは、亥之助から『伯父上は誤解されているのだと思っておりました。』なんつー事を、訴えられた政次っつぁん。。
さぞ辛かったやろーに。。。
でも、虎松を守る為に代わりの子を犠牲にして、自らの手を汚した事の方が、もっと辛かったやろーなぁ。
#おんな城主直虎
皆様息できてますか? pic.twitter.com/dvyzAKEaMJ— 軟式武士道は課題と闘う (@nanshikibushido) 2017年8月6日
地獄に堕ちるのは自分だけで良いなんて。。。(T_T)
・・・って、もしや子供がよく言う
『悪い事したら死んだら地獄やでー』
って意味やったらびっくりやけど。。。
まさか大の大人の政次っつぁんよ!
んな事ぁある訳ねぇべ。。。
後は、関口に虎松の首と引き換えと言われた政次の
『お安い御用でございます。』
と言った時の顔ったら。。。
本気かと疑ってしまう狂気の笑み#おんな城主直虎 pic.twitter.com/gVHCVCLZYg
— おんたま (@ontama_rf) 2017年8月6日
敵なのか味方なのか、どっちでも取れる様な部分も残した表情をして、さすが高橋一生!って感じでした。
更に、虎松を要求するために、井伊家に乗り込んできた時も、敵の様で味方の様な表情で、直虎までをも悩ますって表現が素晴らしい!
それと、龍雲丸も政次が井伊家の味方って事を解った様で良かった!(^^)
今回、井伊家のみんなが隠し里に入り、会議的な感じで今後を話し合ってるところを見て、改めて思った事は・・・
『井伊家のメンバー、少ねー・・』って事。
んで、会議の最後に一本締めをした六左!
ええ味出してるし、今回は六左の活躍というか、人柄の活躍が良かったわー。
今日も癒し担当の六左衛門。
#おんな城主直虎 pic.twitter.com/yKuUfgeEJL— ルリ (@C5892Crush) 2017年8月6日
六左、サイコー!
さて、最後は今回の話とは関係ないかもしれないけど、
たけ ⇒ うめ へのチェンジ。。。
今だに『あれって、必要か?』と思うのは、私だけ?
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