届けられたのは、虎松の首じゃなくてホッとした直虎でした。
でも、その為に命を落とした子供がいる事と、辛い役目を一身に背負う政次に対して、心が痛んでいる様です。
さて、滅びてしまった井伊家ですが、これから直虎の思惑通り復活させる事が出来るのでしょうか?
目次
第32話『復活の日』あらすじ(ネタバレ)!
井伊が息をひそめて情勢を見守る中、今川と武田の戦の気配は色濃く、いつ火を噴いてもおかしくない状態になっていた。
岡崎城では、武田からの書状を受け取った家康が、重臣を集めて急ぎ軍議を開いた。
あと十日で、武田が駿府に攻め入るというのである。
徳川にもそれに合わせて、遠江入りの後、早々に掛川を落とせとの事だった。
掛川城は、遠江の東の端にあり、岡崎からは最も遠く、駿府からは近い位置にある。
どうやら武田にしてみれば、駿府に近い要所を落とし、今川を挟み撃ちにしたいという思いだと察した。
家康の重臣である本田忠勝は、遠江の絵図を見ながら、進む方向として、まずは気賀に目を付けた。
『気賀は芽があるのではないかと。今川の直轄ではありますが商人の町。商いを通じ、こちらと付き合いのある者も少なくございませぬし、何より、城を預かっておるのは井伊の者です。ただいま、酒井様が調略に向かっておられるはずですが・・・。』
と、忠勝は言った。
噂をすればちょうどその時、酒井忠次が倒れ込むように主殿に入って来た。
『忠次、何があったのじゃ!』
『お、襲われましてございます!』
気賀に向かっていたところ、いきなり鉄砲の音がして、混乱する一行に次々に鉄砲を打ち込まれ、しかたなく退いたというのだ。
『確かめる事は出来ませなんだが、恐らくは、大沢か浜名、湖岸の国衆ではないかと。湖の周りは、今もって今川への忠義があついようで、どうにもやっかいにございます。』
それを聞いた家康は、陣座から井伊谷のルートを提示した。
すると、忠次が驚くべき事を口にした。
『しかしながら、殿。井伊は、どうも今川に取り潰されたとの知らせにございます。』
『取り潰された?』
家康にとっても、予想外の事態である。
井伊からの知らせ
その夜、家康は自室に瀬名を呼んだ。
『・・・・存じております。今川の目付け家老であった小野但馬守という者が乗っ取り、跡継ぎの首も取られた事も。こたびこそ、お力になれると思いましたのに・・・。』
『・・・・そう思っての、瀬名。一つ調略を試みたいのじゃ。』
『調略?どこのどなたにでございますか?』
『井伊には三人の目付けがおってな。一人は、野田の菅沼の親戚なのじゃ。』
東三河の野田城城主・菅沼定盈(すがぬま さだみつ)は、元々、今川義元に仕えていたが、桶狭間以後、徳川に帰属した武将で、目付けの菅沼忠久とは同族なのである。
『この者を通じて三人の目付けに調略をしかけ、その者達と共に、井伊に攻め入り、但馬を討ち取ろうという話を持ちかけておる。わしからのせめてもの井伊への手向けじゃ。』
瀬名は、その気持ちが嬉しかった。
その時、井伊から書状が来たという知らせが入った。
素早く目を走らせた家康は、なんとも言えぬ表情になった。
『殿、なんと?』
『井伊は・・・・・・潰れておらぬらしい・・。』
ー 三河の守殿、戦にて慌ただしき折にご無礼ながら、何としてもお伝えせねばならぬ事があり筆を執りました。こたび、井伊が取り潰され、跡継ぎの首まで取られたというお話がお耳に入っておるやもしれませぬが、あれは全て見せかけにございます。 -
徳川にだけは、なんとしても戦の始まる前に事情を知らせておかなければならない。
直虎が急ぎ、傑山に託した書状である。
偽の首を差し出した事、そして三河の鳳来寺にて虎松が無事に修行している事、今川の直轄になったと見せかけ、実は家老の但馬と示し合わせ、その後、今川の目付けを捕らえて城を開ける段取りにしている事などが綴られていた。
そして最後には
- 故にどうか、その折に井伊の名をお認め頂き、国衆の列に加えていただければと、心よりお願い申し上げる次第でございます。 -
と書かれていた。
『つまり、あね様と小野但馬は裏で手を組んでおるという事にございますか・・・』
『まぁ、思い切った事をするお人じゃ。いやいや、早う会うてみたいものじゃ。』
『使者をしばらく待たせる様に。』
そう言って家康は早速、返事を書いた。
数日後、家康からの書状を携えて、傑山が龍潭寺に戻ってきた。
『ひと安心じゃの、徳川にお分かり頂けて。』
そう言う南渓に傑山が言った。
『徳川様は、この話を面白く思われたそうで、井伊の殿に合ってみたいと仰せだったとの事です。』
傑山の話に直虎は感激した。
かつて、今川より差し向けられた偽物にだまされて、直親は命を落としたのだが、今回は正真正銘、家康本人からの書状である。
直虎は、この話を政次に伝えたいと思った。
すると、境内を歩いてくる人影がある。
『政次・・・。』
当の本人が向こうからやって来たのだ。
南渓の部屋で久しぶりに相対で碁を打つ。
『大事ないのか?こちらへ来て・・・』
『関口の家来が駿府に引き揚げてな。残るは雑魚ばかりになったゆえ。』
『駿府に?いかなる事じゃ。』
『恐らく、関口は武田に寝返ったのだ。』
『寝返った?』
『駿府に人手を回せというだけの話かもしれぬが、いずれにせよ、こちらとしては、やりやすい話だ。』
『政次、小野の家来達は、虎松の首でない事は知っておるのであろう?』
『偽首の事は知っている。ただし、それは俺が井伊を乗っ取る為にやった事と思うておる。・・・と、思う。』
ひどく疲れて見えるのは、気のせいではあるまい。敵を欺き、味方を欺き、一時も心安まらず、とうとう己の手まで汚してしまったのだから。
『もうじき、陽の光の下で、打てる様になるの。』
『はい。』
縁側で日向ぼっこをしながら、直虎と政次が碁を打つ。
そして、皆が笑顔でそこにいる。そんな日々を思い浮かべて、二人は穏やかに笑った。
政次となつ
館に戻った政次は、直虎に聞いた話をなつに伝えた。
『徳川が来れば、終わりにございますね、私のお役目も。』
なつが、井伊と小野の橋渡し役となると思って、小野家にとどまっていたのだけでは無い事は、いくら色恋に疎い政次でも解る。
『なつ。こたびの事が終われば、俺と一緒にならぬか。』
なつが驚いて政次を見る。
『・・・・・事が成れば、次郎様の還俗も叶う事になりますが、よろしいのですか?』
なつが、ふいに女の目になった。
『ずっと、それをお望みになっておられたのでは?』
『うまく伝わらぬかもしれぬが・・・私は幼き時より、伸び伸びとふるまうおとわ様に憧れておったのだと思う。』
初恋だったかもしれぬ。小野の家に生まれていなければ、また別の人生もあったろう。
『それは、今も変わらぬ。殿をやっておられる殿が好きだ。身を挺してお助けしたいと思う。その気持を何かと比べる事は出来ぬ。捨て去る事も出来ぬ。生涯、消える事もあるまい。』
もはや男女の恋愛感情を超えた気持ちだった。
『・・・なれど、それとは全く違う気持ちで、そなたにはそばにおって欲しいと思う。そなたを手放したくはないのだ。』
政次が言うや、感極まった様になつが抱きついてきた。
『かような時は、殿の事は何とも思うてないと言うものですよ・・・・。なれど、私がお慕い申し上げておるのは、さような兄上様にございますゆえ、致し方ございませぬ。』
側にいて、その苦悩を黙って分かち合ってくれていたと思うと、愛おしさが込み上げる。
政次はぎこちない手で、なつをそっと抱きしめた。
永禄十一(一五六八)年、十二月六日、武田軍は、駿河を目指して甲府を出立した。
氏真の焦りは最高潮に達していた。
『・・・・これは、いかなる事じゃ。』
本陣は、がらんとして、具足姿で待っているはずの武将たちの姿が見えない。
『申しあげます。朝比奈信置殿、岡部忠兵衛殿、関口氏経殿をはじめ、二十一名が逐電いたしました!』
そう、伝令から聞いた氏真は、呆然とした。
今川は、有力な武将ら二十一名が、武田に寝返るという前代未聞の事態に襲われた。
もはや氏真は、戦には不向きな今川館にこもるしかなくなってしまったのである。
そのころ徳川家では、家康の前に井伊の目付け達三名が訪れていた。
菅沼忠久、鈴木重時、近藤康用だ。
そこで、井伊が徳川と結んでいる事を聞いた近藤康用が言った。
『小野但馬は、実に狡猾な男にございます。井伊と友に、徳川に寝返ったと見せかけ、その実、徳川様の首をかくつもりなのではございませぬか?』
政次を口実にしているが、近藤は、井伊が切り取り次第にならぬ事が不満なのだ。
母・佐名を今川の人質に差し出した小野の息子・・・・家康の脳裏に妻である瀬名の恨み骨髄だった顔が浮かぶ。
『・・・・・小野但馬とは、さように油断ならぬ男なのか?』
『はい。井伊の先代をはじめ、有力な者たちを次々と戦に送り込み、皆殺しにした奸臣にございます。用心の上にも用心を重ねるが肝要かと。』
そうして、井伊の目付け3人衆が先に様子を伺いに行くと家康に言った。
忠次の言葉に反対する理由も無く、家康はうなずいた。
政次危うし
『殿、近づいてきたようじゃぞ、徳川が。』
さしもの南渓も緊迫した声だ。
『・・・では、参るか。』
ごくりとつばを飲むと、直虎は立ち上がった。
井伊谷城では、見せかけの戦の用意をしていた政次の元にも、その知らせが届いた。
そして、関口の郎党たちに言った。
『これより、小野は徳川に城を開け渡す。徳川につき、その下で井伊家を再興する。そなたらの中で、共に参る者がおるならば口添えしてやろう。』
それを聞いた、あとから駆けつけた者たちも、次々と武器を置いた。
『よし。そなたらの内心は分かった。悪いようにはせぬ。』
続いて政次は、小野の郎党たちに向き直った。
『井伊を抑える為に小野があり、小野を犬にするために井伊がなくてはならなかった。故に、憎み合わねばならなかった。』
そういって、井伊と小野は2つで1つである事を家来たちに、説いて聞かせた。
『とうに存じておりましたよ、殿。われらはわれらで、殿を欺いておったのです。』
なんと。 政次は一本取られた思いだった。
『・・・・さようであったか、それでこそ、小野じゃ。』
独りで戦ってきたのではなかった。今更思い知らされた政次だった。
『われらにも会ってみたいと言うてくださったそうじゃ。どんなお方かのぅ、瀬名殿の旦那様は。』
直虎と直之は、門の前で家康の到着を待っていた。
すると、最初に見えてきた顔は、近藤康用達、目付け三人衆だった。
『・・・近藤殿、そなたらも徳川についたのか。』
『はい。ご縁がございまして。』
そして、徳川の重臣と挨拶を交わしていると、近くの茂みで、がさりと音がした。
目をやると、いたちが数匹、城の方へ飛び出していった。
見に行こうとする直之を近藤が止め、代わりに自分の家来を行かせた。
『お取り次ぎを願いたい。』
忠次に促されて、直虎が門の方へ進んでいくと、何故か後ろから荷車がついてくる。
『兵糧を運ばせて来ました。井伊の世話になっては申し訳ないと思うての』
近藤が殊勝な事を言うが、本当だろうか・・・あの不自然な穴は・・・
ゆっくりと門が開いていく。
直虎は、先程のいたちが出てきた茂みを振り返った。
すると、夜目にきらりと何かが光った。
『但馬!罠じゃ!門を閉めよ!』
直虎が叫ぶと同時に、茂みの方から無数の矢が放たれた。
矢は、徳川の旗下にある近藤たちの隊列にも降りかかった。
いち早く、直之が茂みに向かって駆け出していく。
『かかれ~っ!』
近藤の号令が辺りに響き渡り、荷車の中から近藤の兵たちが飛び出した。
十二月十三日、くしくも、信玄によって今川館が焼け落ちたのと同じ日の事だった。
【おんな城主直虎】33話あらすじ(ネタバレ)と感想!『 嫌われ政次の一生』
【おんな城主直虎】井伊谷三人衆!近藤康用・鈴木重時・菅沼忠久とは
第32話『復活の日』放送終了後の感想!
今回のタイトルは、内容と合ってない!と思ったのは、私だけでしょうか?
まず、全然復活なってないしっ!!
やっぱり阿部サダヲさんの徳川家康は、何度見ても笑けるなぁ。。。
今だに『徳川家康~?!』と、思ってしまうというか・・・
今回は、瀬名と井伊家を救う話で、盛り上がった感じになって、チューしようとしてたのか?
しかし、途中で傑山が手紙を持ってきたから中断されたけど、阿部サダヲさんの表情が良い味出してたなぁ。
しかし、瀬名と家康の関係って歴史的には今後、恐ろしい事になるけど、【おんな城主直虎】ではどんな展開になるんだろ?
かなり仲睦まじい感じだけど、結局『築山殿』と呼ばれる様になるし、そうなる理由としては家康との仲が悪くなる方へ向かうって事だし・・・
結局、家康に殺される運命になるんやろか?
殺されるというと語弊があるけど、守ってもらえない。ってな事になる訳やし。。。
【おんな城主直虎】瀬名(築山殿)と松平元康(徳川家康)の生涯
今は、『あね様は、なんとついていない運命なんでしょう』って瀬名は直虎の事言ってるけど、瀬名の最後はとてつもなく悲しいのに。。。
・・・と、えらい先の事まで考えてしもうたわ。^^;
話を元に戻して・・・
今回は、直虎と政次の密会が切なくもあり、今までにない雰囲気だったな。。。
なんちゅうか、ジーンときた。(T_T)
「いつもと具合が」
「言葉ではないか?」
「そうじゃ!」
「まぁ…殿様気分でも味わおうと思うてな」「次は殿かと存じますが」
「政次」
「いや、殿の番」
「そうではない、呼びかけておるのじゃ」
「あ、はい。」このやりとり好き
政次のお茶目な一面可愛すぎかて#おんな城主直虎— てん (@_tenise0717) 2017年8月13日
すっごく良い雰囲気で、このまま2人、くっついたらえーのにっ!って思った。
でも、なつも捨てがたいのよねー。
あれは、ええ女やわ。
しかし、あんな性格良いおなご、おらんで。ほんま!
でも、『良い人』と『好きな人』って違うのよね。
でも政次は、そんななつ自身を受け入れたいと思ったんやろね。心は直虎でも。。。
遂になつ殿が報われた…
散々直虎×政次で妄想してきたけど本当に嬉しい
政次×なつ殿を心から祝福する#おんな城主直虎 pic.twitter.com/hKSrjvLCuU— せっちゃん (@L0Zdf) 2017年8月13日
珍しく直虎への思いを喋る政次。なつには気を許してるんだなあ…
でもなつは辛いな…#おんな城主直虎 pic.twitter.com/749f8X4JKT— みずほ (@ha43zu) 2017年8月13日
ついつい、直虎とくっついて欲しい自分がいるけど、これだけ良いおなごなら、応援したくもなるわなー。
しかし、こんなに大変な思いをする井伊家と小野家って、今川に振り回されてる事が、人生狂わされてる・・・って思うと、つくづく今川家って、嫌な武家やわ。って思う。
まぁ、でも戦国時代ってそんなんだったんだ。。。と思うと、まぢ怖い。
怖いといえば、武田信玄も怖い。
かなり残酷で有名な武田信玄を、松平健さんが演じてるけど、ホントすごく似合ってる!
それと今川氏真についても、元々あんなイメージだから、それを尾上松也さんが上手く表現してるなぁって感じやけど。
【おんな城主直虎】武田信玄は直虎と同じ時代を生きた井伊家の敵なのか?
さて、最後は政次が『井伊を抑える為に小野があり、小野を犬にするために井伊がなくてはならなかった。故に、憎み合わねばならなかった。』って言った姿がカッコ良かったー。
今日まで耐え忍んだ一番はあなただよ鶴…… #おんな城主直虎 pic.twitter.com/GW8Y7aIUfj
— ルルフ@シン・ゴジラ77th (@hervorruf) 2017年8月13日
しかし、来週が・・・(T_T)
キャー!!
ってか、モジャひげ野郎めー!・・・と、いつになく、ガラが悪くなっておりました。
コホン。。。
近藤康用めー!
TLにあふれるであろう近藤氏に対する視聴者の心境。#おんな城主直虎 pic.twitter.com/B7TZDD9gUY
— いきだおれたにたか。@政次ロス予備軍 (@jowindow_12) 2017年8月13日
このハゲー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!違うだろ!!!!!!!違うだろ!!!!!!!政次を殺すな!!!!!!!これ以上政次クラスタを悲しませるな!!!!!!!
#おんな城主直虎 pic.twitter.com/hsSMgSaNB5— かるぱっちょ (@___Drive_____) 2017年8月13日
・・とまぁ、この通り、かなりの嫌われひげモジャの一生。って別タイトル必要じゃね?
的な感じですが。
次週は恐らく大河ドラマ史上初
役の名前と俳優のお名前が同時にサブタイトルに入る回
「嫌われ政次の一生」 #おんな城主直虎役の名前が入るのはよくあること pic.twitter.com/0lLlFgVQ0H
— ルルフ@シン・ゴジラ77th (@hervorruf) 2017年8月13日
ホント、来週が辛い・・・
政次死なないで~!!