龍雲丸との絆が深まったと思った矢先、今度は同じ材木に関する事で、いざこざとなってしまいました。

龍雲丸の家族に関する過去も解りましたが、それでも直虎とは考え方が違うという結論に達した様です。

さて、気賀に城は出来るのでしょうか?

城主は誰になるのでしょうか?

 

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目次

第27話『気賀を我が手に』あらすじ(ネタバレ)!

 

 

気賀を、大沢様に代わって井伊様にお預かり頂く訳にはまいりませぬか。

その言葉に、直虎はぽかんと口を開けた。

 

同行した商人四人を見やり、中村屋が続ける。

あの後、皆で話し合ったのですが、どう考えても井伊様にお引き受け頂く方が話が早く、確かなのではないかと。

 

しかし、それは今川の命ゆえ・・・

私どもも出来る事はなんでもいたしますゆえ。どうか気賀をお助け頂けぬでしょうか。

 

やりましょう、と叫んだのは方久である。

申し合わせたかの様な巡り合わせ。これはもう、天命にございましょう!

 

殿が思い止まられるとは、お珍しいですな。

ぱちりと碁石を置き、政次が言った。

 

しかし、戦もせずに気賀が取れるならば、こんなにうまい話もございませぬな。

但馬はこの話、乗った方が良いと思うのか。

 

対して考えもせずに、直虎は石を置き返す。

浜名の湖へと繋がる水運を考えると、やる値打ちはあると思います。あとは、殿のお心一つかと。

 

何かと世話になっている気賀の者たちに報いてやりたい、皆がつくりあげてきた町の形を守る事が出来ればとも思う。

自信はないが・・・。

 

考えに考え、直虎はこの難題を引き受ける事にした。

碁は、コテンパンに負けていた。

 

大事のうございますよ。私が思うに、さほど難しい事ではございませぬゆえ。

あっけらかんとした調子で方久が言った。

 

一体、どの様な策を考えておるのじゃ。

関口様に口添え頂ける様、頼もうと思います。

 

関口の、陰険そのものの顔が浮かんだ。

しかも、あの男は井伊の目付、見張り役ではないか。

 

だからこそ、取り入る隙があると思うのでございます。まぁ、私にお任せくださいませ。

方久はすぐに動いた。

 

関口を取り込む

 

関口に会って、珍しい南蛮の香を贈り、気賀が井伊家の預かりとなった折には、港の儲け口の一つも差し上げたいと持ちかけたのである。

 

関口は、立ちどころに陥落した。

銭の力とは、まこと凄まじいものじゃの・・・・

 

次に方久は、今川館を訪れた。

氏真と話をする段取りは、関口がつけてくれている。

 

突発事は、挨拶の口上を述べた直後に起こった。

火急のお知らせにございます!

 

家人が届けた文を読み、氏真は顔に血を上がらせるや、抜いた脇差しで、掛け軸を切り裂いた。

どいつもこいつも余をばかにしおって!

 

文の中身は、武田信玄が幽閉していた嫡男・義信が、自害したというものだった。

義信は氏真の妹の夫であり、武田家と今川家の同盟の要でもあった。

 

その義信を、再三の塩止め令による、けんせいにも関わらず、自害に追い込んだという事は、武田は今川をいつでも切り捨てるぞ、戦となる日も遠くないぞと、意思表示されたも同じであった。

 

戦に強い大沢を免じ、井伊に首をすげ替える事は、この時期考えにくい事になる。

方久による氏真への工作は、日を置き、好機を見て改めて実行される事になった。

 

その日、直虎は中村屋から意外きわまる話を聞いた。

気賀を出ていったと思っていた龍雲丸が手下共々根城にとどまっている。

 

しかも、あれほど嫌っていたはずの城の普請を龍雲丸で請け負いたいと言い出したというのだ。

 

- 中村屋様。

俺、これなら気賀の為になるんじゃねえかって城を思いついたんでさぁ。 -

 

龍雲丸は、様々な城の絵図を集め、城内に忍び込んでは内部の様子を確かめてもいた。

すでに、大沢側の了承を得て、今は新たに築く城の絵図を描いているという。

 

龍雲丸と二人

 

直虎は根城に急いだ。

龍雲丸は、そこにいた。

 

安堵が広がり、その分猛然と腹が立った。

何ゆえじゃ。・・・・何ゆえ、出ていかなかった!

 

龍雲丸が、のんびりした口調で言った。

いちゃ悪いんですかい。

何がなんでも出て行く様な事を言うて負ったではないか!

 

龍雲丸は、描きかけの絵図を指先でたたいた。

せっかくですし、見に行きますか。城の普請場でも。

 

どこか離れた場所に城を築くのか、導かれたのは船の上だった。

腹立ちが収まらず、船を進める龍雲丸に、直虎はいらいらと声をかけた。

 

まだ着かぬのか。とろくさい。

何も考えず、龍雲丸は碇を投げ下ろした。

 

湖の真ん中で、岸は遠い。

直虎は狼狽した。

 

・・・・え?な、何をしておる。

泣いてもわめいても、誰も助けに来ませんぜ。

 

にたりと笑い、龍雲丸が近づいてくる。

逃げ場は水の中しかない。

 

直虎は身を躍らせ様とした。

龍雲丸が慌てた声を放った。

 

違いまさぁ!嘘でさぁ!

では、何ゆえ、かようなところに停めた!

 

まだ鼓動が速い。

龍雲丸が両手を広げた。

 

ここなんでさぁ。城、ここに造るんでさぁ。

辺りは一面、水である。

 

龍雲丸は続けた。

潮が引けば、この下は中洲になるんでさぁ。

 

城に近づけるのは潮が満ちている時、しかも船を持つ物に限られる。

敵が馬に乗って来ても、手の出しようが無い事になる。

 

潮が引いていても、ぬかるんでて馬は来れねぇ。泥田舟がありゃ、進めねえ事もねぇが、遅いし、大勢で攻め込むなんてこたぁ難しい。

 

敵が往生している間に、城中の者は舟で裏から逃げ出す事が出来る。

そこに水軍攻め寄せる手もあるが、湖の周囲は今川方の国衆が囲んでおり、その戦術は考えにくい。

 

もし、この世にあった方がいい城なんてものがあるとすれば、こういうもんなんじゃねぇかって思ったんでさぁ。

 

・・・・捕まらぬ為の城か。

根が盗人なもんでね。

 

・・・・良いのではないか。実に良いと思うぞ。

龍雲丸は笑い、無言で碇を上げ始めた。

 

ふと、見上げた空に雲がぽつんと浮かんでいる。

雲も何か城に関わりがあるのか?

 

直虎は、龍雲丸の背中に声をかけた。

以前、空に雲があるから士官は出来ぬと。』

 

・・・・大した話ではねぇんで。

大した事も無い話で井伊は袖にされたのか。

 

直虎に強く促され、龍雲丸は己の過去を語った。

城が落ちて逃げ延び、盗賊団に拾われた事。

 

その一味もお縄となり、また一人になった事。

その時見た空に、大きな龍雲が出ていた。

 

その雲を見ていて、これからさきは何にも誰にも縛られず、己の心に従って生きてやるんだと決めたんでさぁ。・・・けど、気づいたら、仲間に縛られ、町に縛られ、ざまぁねえでさ。

 

・・・・縛られぬという事に縛られておったのじゃな、頭は。

・・・説教くせぇ。

 

尼じゃからの。

男の長い孤独と、今の平安を直虎は思った。

 

頭は心の奥深いところでは、奪われてきたものを取り戻したいと望んでおったのではないか?

 

仲間や根付いて暮らせる土地。

その心に従う事で、自分を取り戻したのではあるまいか。

 

・・・・尼小僧様は、いつも俺の考えつかぬ事を言う。

船を下りる時直虎は、大沢側の意向について尋ねてみた。

 

築城を急げとしか言われないという。

他の普請も多いんじゃねぇですかね。大沢はいくつも城を持っておるようでしたし。

 

その刹那、頭にひらめいた事があった。

大沢の方から手を引きたいと言わせればいい。

 

そうすれば、そこに井伊が滑り込める・・・。

 

氏真の返事

 

方久が再び動いた。

大沢に対面し、気賀がいかに治安の困難な土地であるかを説いた上で、この度の分裂騒ぎを裏に回って収めたのが、他ならぬ直虎であることを話した。

 

井伊と気賀には、商いを通じて深いよしみがございます。それがゆえに収まったようなもの。いきりたち、謀反をと言い出す輩もおったそうにございます。

 

その気になれば、気賀が徳川や武田と通じる事はたやすい。

何もわざわざそこを揺るがせ、足元から火をつける事はないのではないか。

 

お家の為に、一つ大沢様の口から井伊をご推拳頂けませぬでしょうか。

不安に陥った大沢はこれを受け、方久共々氏真に目通りして、井伊への譲渡を申し出た。

 

わが大沢家が、浜名東岸の守りを固める為にも、気賀は井伊にお任せして頂けれぬかと。

井伊も一丸となり、太守様のおんために銭を稼ぎ出そうと思うております。

 

方久が平伏し、関口も口添えした。

恐れながら、私も、この者らの申す通りかと。

 

氏真は、不機嫌そのものの顔で言った。

・・・・好きにせよ。どうせ余は能無しじゃ。

 

気賀は、井伊家の治めるところとなり、すぐに城の普請が始まった。

年が改まり、春があける頃、堀川城と名付けられた新城が完成した。

 

湖に浮かぶ港の様な城とともに、直虎は文字どおり、新たな船出の時を迎える事となった。

 

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第27話『気賀を我が手に』放送終了後の感想!

 

 

今回の『気賀を我が手に』は、直之と六左衛門の登場は少なかったですねぇ~。。。

しかし、その代わりといっちゃなんですが、関口氏経の登場が多かったですが・・・

 

関口の顔怖い・・・

という印象しか無かった私・・・^^;

 

矢島健一さん。。。

ホント申し訳無いけど、怖い顔してるよね~??

 

いや~、でも矢島健一さんは、関口氏経役を演じる為に生まれてきたのかと思う位、似合ってるとは思います。

はい、褒め言葉です。。。(^o^)

 

それに対抗して、中村屋役の本田博太郎さん。

ええ味出してるわぁ。

 

あの返事の仕方とか。

ある意味、方久に似てなくもない?! 個性的な感じが!

こちらのTwitter紹介!

 


やっぱ中村屋役の本田博太郎さん、個性的だと思ってる人多いと思うなぁ。。。

 

それと今回は、龍雲丸の登場が多かったね。

どんどん柳楽優弥さんがカッコ良くなってるわぁ。。。

 


なんちゅうか、船の上で直虎に近づいていく龍雲丸のおちゃめな顔が良かった!♡

あんな顔するんやね。柳楽優弥さんって。。。

 

しかし、船に乗ってるシーンは合成バリバリな雰囲気満載やったけどね。

それと、気になったのは龍雲丸の子供時代。

 

子供の頃からメッシュ入れてたんや。

 


ん?大人になったら青色メッシュも追加やね。(^^)

メッシュ以外で今回気になったんは、今川氏真の口紅。

 

踊り狂うとはあの事かっ!

口紅は必要だったのか・・・?

 

しかし、今川氏真って本物もあんな感じやったんやろかね?

歴史上、今川氏真は『文化人』的な立場というか、そういうイメージになっていった様ですね。。。

 

織田信長にも『無能』呼ばわりされてたしね。

結局、寿桂尼がいなければ『無能』的な部分をさらしていたのかもしません。

 

後に、武田信玄に駿府を攻め込まれた辺りから、どんどん今川氏真の腰抜けイメージがついていったのかもね。

その表現として、尾上松也さんが演じる氏真があんなキャラになってるのかもね~。

 

それと、今回の最後はやっぱ政次やね。

おとわが気賀を取ったど~!

じゃないか・・・^^;

おとわが気賀を取ったぞ』ってか!

 

んで、誰に言うたん?

あ、直親か!

こりゃまた失礼!