いや~、前回の政次は、もう本気で直虎に『虎松の後見を降りてもらうぞ!』という気迫があったんでしょうね。
思わず直之が、刀に手をかけるくらいですから・・・
さて、政次から虎松の後見を降りる事を迫られた直虎。
続きが気になります。。。
目次
第18話『あるいは裏切りという名の鶴』あらすじ(ネタバレ)!
『分かった。では、そのように一筆を』
観念して、直虎は言った。
『同じ手を食いたくはございませぬからな。このまま駿府へご同行頂き、太守様の前でじかに、お話頂く・・・』
『駿府へ・・・?』
政次は、直虎にとどめを刺すつもりなのだ。辛抱出来ず、直之が前に出る。
『之の字!』
直虎が、とっさに直之の前に立ちはだかる。
『斬ってきまえばよろしゅうござる!小野の息の根を止めねば、かような事が繰り返されるばかり・・・』
『斬れば、もっと面倒な事になる!こらえよ!』
駆け寄った六左衛門と五平に組み伏せられた直之は、政次を睨みつけた。
『但馬、心得た。そなたの言うとおりにする。しかし、それは置いていけ。』
方久が、すかさず種子島を抱え込む。
『われが降りれば、謀反を駿府に訴えはせぬのであろう。ならば、無用のもののはずじゃ!』
『そうじゃ!無用のはずじゃ!』
死んでも離さぬという方久の気迫に、政次もやや押され気味になる。
『・・・・・・・・仰せの通りにございます。』
『では、参ろう。』
そして、六左衛門を残し、直虎達は主殿を出て行った。
六左衛門は、南渓に助言を求めようと龍潭寺へ行った。
事情を話すと、南渓は腕を組んで考え込んだ。
『六左衛門、その種子島とやらを、わしが預かる事は出来るか?一つ考えがあるのじゃ。』
南渓にそう言われ、皆で館に戻ってくると、驚いた事に種子島が二丁とも消えている。
おまけに方久の姿もない。
弥吉に方久の居場所を聞いてみると。。。。
『銭の匂いがする。と、凄い勢いで駆け出して行かれまして・・・・』
それを聞いた南渓は
『さすが、銭の犬じゃ。嗅ぎつけおったか。』
と、面白そうに笑って言った。
方久の策
翌日、直虎一向は駿府の今川館に到着した。
『但馬、殿が大方様にお会いしたいそうなのじゃが。』
直之が政次に言った。
直虎と直之は、大方様なら、直虎の話を聞いてくださるかもしれぬという考えだった。
しかし、政次は
『お話がお出来になる様であればな』
と言った。
『・・・え?』
『大方様は今、病にふせり、明日をも知れぬお体ゆえ。』
直虎は絶句した。寝耳に水である。
そして政次が
『参りましょう。』
と促した。
そのとき、正面に見慣れた顔が現れた。
『方久・・・・そなた、ここで何をやっておる。』
方久は木箱を抱えている。
『商いに決まっておりましょう。』
『商い?』
と、直虎はけげんそうな顔をしたが、政次はハッとして顔色を変えた。
『はい。先程、今川様に直虎様のお指図にて・・・と、種子島を五平ごと売り渡して参りました。』
『で、では・・・』
『謀反を企んだ跡形など・・・・そもそも、どこにもござらぬという事にございます!』
この為に、方久は夜通し馬を走らせたのである。
『方久、でかした・・・でかしたぞ。』
『なに、銭の匂いに従ったまでにございますよ!』
三人、手を取り合って大喜びする。
政次は、背を向けると一人で、控えの間へ向かった。
そこで政次と氏真が話をしているところに、家人が転がる様に駆け込んできた。
『先程、知らせがありまして、武田の義信公が、謀反のかどにて幽閉されました。』
氏真と政次は、驚いた。
『何故に?なんの謀反じゃ。』
すると、今度は侍女が走ってきた。
『太守様!大方様が!』
氏真達は、すぐに寿桂尼の部屋に向かった。
そこで医師から、この二、三日が峠と言われた。
『ばば様!義信公が・・・謀反のかどにて幽閉されました!武田に物申せるのは、ばば様しかおりませぬ!』
すると、死の淵にいると思われた寿桂尼の手が、かすかに動き、両目が薄く開き始めた。
『・・・・武田が・・・なんじゃと・・・』
そして、カッと目を見開いた。
『何をしたと?』
領主としての思い
直虎一行は井伊谷に戻り、ささやかな酒の席を設けた。
そして、方久が今川での出来事を話した。
方久が種子島を餌にすると、すんなり氏真に目通りが叶ったという。
『私、種子島の商いが出来ぬものかと、井平にて五平という職人に作らせておりましたところ、ここまで出来上がりまして・・・』
そう言って、方久は氏真に種子島を見せた。
『つきましては、この続きを駿府で作らせてはいただけませぬでしょうか。』
『駿府で作る?これを・・・』
『はい。作る事の出来る見通りは立って参りましたものの、数を作るとなれば人も要りますし、鉄も要ります。井伊様に折半をお願いしたところ、出来かねると言われ、いっその事太守様に願いでてはと、わが主人から指図を受けまして。』
すると、間髪入れず扇が差し向けられた。
『乗った!』
この話を臆面もなく自画自賛する方久を六左衛門も賞賛する。
そして、直虎は南渓和尚に、事の次第を知らせに行った。
『そうか。うまく切り抜けられ、良かったではないか。』
南渓和尚が言った。
『それは、そうなのですが・・・』
と、直虎は浮かぬ顔をしている。
『私は、助けられてばかりではないですか!まこと、かような私に果たして井伊を守りきり、虎松に渡す事が出来るものかと・・・』
『知恵など、借りられるだけ借りればよい話じゃ。』
『これでは、あまりにも情けのうございまする!』
『おぬしの良さは、諦めの悪さと、生まれついての型にはまらぬ考え方であるゆえ。』
そう言いながら、南渓は書物を数冊、直虎の前に置いた。
『当主を継ぐような者なら皆、学んでおるようなものじゃ。』
『政次も、これを学んだのですか?』
『そうじゃな。』
『じゃあ、これを読めば、政次の手の内が分かるという事にございますか?』
『まぁ・・・そうかもしれぬの。』
そして、直虎は書物を抱え、張り切って部屋を出て行った。
ここ数日、直虎は南渓に借りた書物をむさぼり読んでいた。
その時、祐椿尼となつが話しながら歩いてきた。
『なつ、来ておったのか。』
『はい、お久しゅうございます。』
そして、側にいた祐椿尼が言った。
『但馬が、疲れておるらしく、何かあったのかと案じて来たのですよ。』
直虎の困った顔に気づいたなつが先に切り出した。
『伺いました。種子島の事は。』
『なつ、つかぬことを聞くが・・・何故、小野の家に戻ったのじゃ。但馬は・・・・その・・・あからさまに井伊を乗っ取ろうとしておるではないか。』
『ならば、尚更でございましょう。』
『なつは、但馬が乗っ取る事を望んでおるわけではあるまい。』
『もちろんでございます。』
『では、息が詰まらぬか?但馬と暮らすのは。』
『義兄は、私どもを気遣って、政の話は一切なさいませぬ。』
『そなたらを気遣う?政次が?』
『ええ、義兄は、優しい人にございますゆえ。』
『や、優しい?!』
直虎は、思った。
別人と間違えているのではないか。あるいは、政次に騙されているか・・・・
『直虎様、お立場として義兄と相いれぬ事は、致し方ござりませぬ。なれど、どうかそれが、義兄の全てとは思わないでくださいませ。』
そう言うと、なつは政次からの土産だという千菓子を置いて帰って行った。
なつが帰った後、祐椿尼と直虎が政次について話していた。
『なつは、情が移っておるのかもしれませぬね。』
『私は、好きませんけどね。』
そう言うと、直虎は白湯をごくりと飲んだ。
『ただ、ずっと不思議に思うておるのですが、但馬は何故、嫁をもらわぬのですかね。乗っ取りというのは、みずからの家を大きくしたい者がする事だと思うのです。それが・・・どうも腑に落ちぬのです。』
『確かに・・・・』
だが、たけの小野嫌いは相当なものだ。
『父親と同じでございましょう。井伊の上に立ちたい。それだけではないですか。』
と、吐き捨てる様に言った。
そして祐椿尼と、たけは部屋を出て行った。
直虎は、千菓子をつまみながら、しばし思いを巡らせた。
『なつが、政次をのぅ・・・・』
『まぁ、昔は優しいところもあったか・・・・』
つぶやきながら、気を取り直して文机に向かう。
『敵を欺くには、まず味方から・・・・』
なるほど、政次を欺くには、まず六左衛門や直之を欺かねばならぬということか。
・・・・と、その瞬間、頭の中になつの声が聞こえてきた。
(どうか、それが義兄の全てとは、思わないでくださいませ。)
まさか・・・・。
まさか、そんな事が?!
政次の本心
直虎は、館から龍潭寺へ一目散に駆けてくると、南渓の部屋に飛び込んだ。
『お、和尚様!和尚様!起きてくださいませ。』
そして、直虎の考えを南渓に伝えた。
『ひょっとしたら、私は、ずっと騙されていて・・・あの時も政次は、直親を裏切る事で井伊を守ったのではないですか。』
『分からぬ。わしは、政次ではないからの。じゃが、あれは優しい子じゃから・・・・・おぬしの言う通りなのかもしれぬ。』
くしくも、なつと同じ言葉が南渓の口から出る。
(おとなしく後見を降りられよ。それが井伊の為、そして御身の為だ。)
政次のその言葉は今、全く違う意味を持って、直虎の胸に響いた。
夕刻、井戸端にいた政次に直虎が近づいて言った。
『話そう!政次!われと、少しでよいから。』
『今更、嫁にもろうて欲しいなどと言うても願い下げですぞ。』
『はぁ?!』
おかげで緊張が解け、直虎は、井戸端に腰を下ろした。
そして、政次が言った。
『・・・・・お話とは?』
『敵も味方も欺く事で、守る。』
いきなり切り出され、政次は息をのんだ。
更に、直虎が言った。
『そういう手があるのじゃな、兵法というものには。書物で読んだ。』
『あ、あぁ・・・・それは、結構な事かと。』
『今更言うまでもないが、われは種子島を備える事で井伊を守ろうと思っておった。それが今川の手に渡り、この先どうなるかは分からぬ。もし、そなたがわれなら、どうする?』
『何故、それがしにさような事を?』
『誰よりも深く、井伊を守る策を考えておるのは、そなただからじゃ。』
はっきりと、政次の顔色が変わった。
それを見て直虎は、慌てて理由づけをする。
『だ、だって、そうじゃろう。そなたは、井伊を手に入れる事を考えてきた訳じゃ。手に入れれば、ここはそなたの土地。必然、ここを守らねばならぬ。』
『・・・・・・・・・。』
『もし、われがおなごであるから守ってやらねばならぬとか、辛い思いをせずとも済む様に、などと思っておるのなら、お門違い。無用の情けじゃ。』
やがて、政次が口を開いた。
『・・・・・私ならば、戦わぬ道を探ります。卑怯者、臆病者と言われようが、断固として戦いませぬ。それが、井伊が生き延びる唯一の道かと考えております。』
『・・・・よいな。実に但馬らしい。』
そして、政次は武田の嫡男・義信が、父の信玄に幽閉された事を伝えた。
『いつとは言い切れませぬが、いずれ武田は、今川に牙を向いてきましょう。』
『武田の動きに目を配っておきたいという事か。』
『武田・・・・そして、松平・・・』
とっさに瀬名の顔が浮かび、三河での苦い記憶が、直虎の脳裏に蘇ってきた。
そして、武田と今川との関係が壊れ始めたこの年の秋、井伊では初めて綿の収穫が行われた。
直虎が、張り切って収穫を手伝っていると、向こうから旅人の姿があった。
『・・・・・もう、おるはずがないか。』
それは、井戸端で再会した男に似ている様な気がした。
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第18話『あるいは裏切りという名の鶴』放送終了後の感想!
今回のタイトル『あるいは裏切りという名の鶴』て・・・・
いろんな意味にも取れるし、なかなか興味をそそられるタイトルやったなぁ。
ま、でも見たら納得!って感じだったし。
う~ん。政次良かったよ~!
そうだろうと思いながらも、優しい政次だったって事が、完全に解ったから満足!(^^)!
話は変わるけど、今回の氏真は、いつもながらキモかったね~。
蹴鞠ばっかして育ったからやろね。
おばば様がいなけりゃ、政務に関してはダメダメboyやわ。
そのおばば様は、なんちゅう執念や!と逆に思ったけど。。。
『武田がなんじゃと・・・』って、生き返ってはったし。
氏真とえらい違いや。
それと、しのの妹のなつ。
なんとまぁ、可愛らしくて優しいんでしょ。
てか、今回は政次とお似合いやわ~。
と違う目で見てしまいました。
政次が晩酌してるところに、お酒をつぎに来たなつは、なんだか嫁の様に見えたし、二人は意識してる様にも見えてしまったなぁ。
でも、政次は直虎をまだ想ってるのかなぁ。
恋愛感情じゃなくて、有志的な気持ちなのかなぁ?
・・・・と、政次と直虎の事を思いながら、政次となつを見てました。(ややこしい)
でもね~、なつと政次、二人は結婚しちゃえ~!と思ったのは私だけではないはず。
でもそれとは裏腹に、直虎と結婚したらうまくいくのに。。。なんて思ったりもして。(*^-^*)
とにかく政次は、冷静過ぎてヤな奴って風にも見えるけど、どんくさい男よりマシやからね~。
そこが魅力なんやろなぁ。
しかし、あんな優しくて可愛い雰囲気のなつみたいな、おなごと暮らしてたら、普通は恋愛感情に発展すると思うけど。
でも、そうじゃないから政次ええわぁ♡って思うんやろな(*^-^*)
ま、それに負けず南渓和尚もええわぁ♡(と、突然やけど)
賢くて、癒し系の眼差しがいい感じやし、かつ、鋭い目つきで物事を判断したりするし。。。
ありゃ、和尚じゃなけりゃモテモテやで。(^o^)/
さて、今回は祐椿尼の言った言葉『但馬は何故、子もおらぬのにあんなに後見に執着するんでしょう。』で、やっと直虎は政次の心の裏を知る事になりました。
でかした、祐椿尼!
それによって今後、直虎も政次に対しての対応は変わってくると思うし、どんな風に変わっていくのかも楽しみ!
しかし、直虎って単純な人間やわ。って思ってたのに、政次の本心解ってから、井戸端で政次と話してた時の内容は、なかなか話術が上手い人に見えました。
相手の気持ちが解っているけど、それを悟られずに、うまく井伊を守る同士の様な関係に持っていく。的な・・・
実は、色々考えてるやん~。。。直虎!
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