直虎から家来として、井伊家に尽くして欲しい。という申し出を断った龍雲丸。
そんな龍雲丸への直虎の気持ちは、ただ単に腕が立つという理由だけだったのか。。。
龍雲丸を直親と重ね合わせる事もあった直虎ですが、今後、龍雲丸とは再会する事はあるのでしょうか。
第24話『さよならだけが人生か』あらすじ(ネタバレ)!
龍雲丸達が井伊谷を去ってしばらくの間、直虎はほうけた様に日々を送った。
侍になる話をやすやすと断る。
その気になれば好きな時にどこへでも行ける。
それは、あの男が何にも頼らずいきているからだという思いが出る直虎だった。
直虎は、龍潭寺で百姓達に読み書きに加え、薬草の知識や護身術、銭の取引等も教えはじめ、その子らが手習いに来る事も許した。
井伊に行けば、暮らしが変わる。
その評判は次第に広がり、人も増え続けた。
井伊直虎の名前は、世間の耳目を集めるものとなっていった。
そして、永禄十年(1567年)、今川家が武田への塩の商いを禁じた、『塩止め』が起こった。
同盟を破棄した武田信玄に対する報復措置だ。
武田の領域は海に接してないので、塩の売買を止められると困ってしまうのだ。
しかし、それが理由で信玄の駿府侵攻を促し、今川家をさらに追い詰める事となる。
他に塩を扱う者達が、裏で暗躍して武田と通じるようにもなっていた。
そんな中、直虎はまず、材木の商いを気賀で行う事を決めた。
そして、中村屋と話を進めるよう、方久に命じた。
政次を見る目が変わって以来、折々に南渓の部屋で、直虎は政次と碁を打ちながら話をするのが習慣となっていた。
『私が子供達に碁を教えるのでございますか?』
『うむ。やはり、碁はそなたが一番うまいしの。』
『私が教えるというのは、外への見え方としては・・・』
『和尚様が勝手に頼んでしまったという形にするゆえ、障りは無い。』
『承知つかまつりました。実は、私からもお話がございまして。駿府より縁談が参りました。』
『高瀬か?』
『いえ、新野の桜殿にございます。』
新野家三姉妹の三女・桜を、今川家の重臣である庵原家へ嫁がせようとするものだった。
『降って湧いた様な話じゃが・・・』
『国衆の離反を防ぐ為の策にございます。縁談という名で、今一度、人質を集め直しているということにございます。』
庵原家は、前の当主・今川義元の軍師を務め、今川家の全盛期を築いた太原雪斎の生家でもある。
『さような家に嫁がせれば、いざという時、全く動きがとれぬようになるのではないか。』
『もしも渋るならば、徳政令を今一度発布せよと。』
『・・・・蒸し返すのぉ・・・。』
良き縁談
直虎は新野の屋敷に出向き、長女のあやめ、次女の桔梗、そして、桜本人に縁談について語った。
桔梗は華やいだ表情になったが、あやめと桜は驚きと困惑を浮かべた。
『あの、さような立派なお家で、私などがやっていけるのでございましょうか。』
『新野とて、本家は今川の親戚ではないか。』
『はい・・・・。』
若い妹を案ずる、あやめの暗い顔が気になった。
急で、しかも今川方の婚儀が申し訳無くてならない。
そこで、直虎はある奇策に打って出た。
『・・・・わしに、庵原殿の、ご嫡男との密談を取り持てという話か。』
南渓が直虎に言った。
『表立って会いたいといえば、いらぬ角を立てますゆえ。和尚様ならうまく誘い出し、お話する事が出来るのではないですか?』
『それは出来ようが・・・。どうにもこうにも、この方では。という折には、どうするつもりじゃ?』
『一度は、嫁がせるにせよ、何かしら理由を見つけ、下がらせるという手も考えられましょう。』
ある寺の一室に姿を見せた庵原助右衛門朝昌は、南渓が初対面の口上を述べている間、じっと直虎を見つめていた。
そして、失礼を。と言った。
『このお方が、あのおとわ様かと。先代の太守様の下知を書き換えさせた、あっぱれな女童(めのわらわ)と。』
お恥ずかしい・・・と直虎は応じた。
『あれは、皆様のご恩情があってこそのお沙汰と身にしみておりませる。まさか、さような事をご存知の方がおられるとは。』
『今、直虎様を駿府で知らぬ者はおりませぬ。女だてらに家督を継ぎ、一風変わった策で井伊を収めていらっしゃる、おもしろきお方。そして、捨て置いては恐ろしい事になるかもしれぬ。と。』
はるかに年若い相手に、どっしりと落ち着いたものを直虎は感じた。朝昌が笑って言った。
『それがしは、直虎様のお目にはかないましたでしょうか。』
『お見通しでございましたか。』
直虎は笑って言った。
『どうか井伊様には、泥舟から逃げ出すばかりではなく、泥舟を今一度硬い舟にする事もお考え頂けませぬでしょうか。』
『われなどをさように思うて頂いて、ありがたい事でございます。ご期待に添えるよう、微力ながら尽くしてまいりたいと存じます。』
と、言った直虎はそのまま笑みを消さずに続けた。
『と、言うはたやすいが、人というのは弱いものじゃ。さて戦となり、己の命すら危ういとなった時に、忠義を貫きとおす自信があると、われには言い切れぬ。・・・・・庵原殿は自信がおありか?』
『最後まで忠義を尽くした者こそ、敵にすら惜しいと思うてもらえるのではございませんでしょうか。・・・・それがしは、そう思うております。』
帰館すると、桜が館に訪れていた。
『実に真っ直ぐな、気骨のある若者であった。』
旅装も解かず、直虎は感じたままを話した。
『今、庵原の家に嫁ぐ事は、両手を上げて喜べる事ではない。じゃが、あのお方を夫に持つ事は幸いな事ではないかと思うた。』
『ありがとうございます。頼りなき私にございますが、庵原のお家の為、そして井伊のお家の為、出来る限りの働きをいたしたく存じます。』
晴れやかに桜は言い、深々と頭を下げ、去って行った。
すると、高瀬が着替えを持って来た。
直虎は高瀬に尋ねた。
『たけは?』
『里に下がりました。』
横から祐椿尼が静かに答えた。
『耳も遠くなり、勘違いも多くなったからと。後ろ髪を引かれるゆえ、殿には会わずに行くと。』
大切な乳母
猛然と馬に乗り、直虎はたけを追った。
背を丸めてよちよち歩く老女の姿を見つけると、その前に回り込んで馬を下りた。
『姫様!』
『許さぬぞ、たけ!われのもとを去るなど!』
『なれど、もう、お役に立てませぬし。』
『役になど立てずともよい。井伊の館でヨボヨボになり死ねばよい。たけは、われがみとると決めておったのじゃ!』
涙を浮かべ、たけは直虎の両手を取った。
『姫様じゃ。怒りっぽうて泣き虫で、たけの言う事など一つも聞いてくださらぬ猪で。なれど、それはそれは情の深い・・・・・・私のとわ姫様。』
熱く込み上げるものを必死でこらえる直虎に、
『なれどもう、姫様は姫様ではございますまい。井伊の殿として、ご決心をされねば。乳母一人とはいえ、きちんと役に立つ者をお召し抱えになるべきかと。』
『さような事・・・指図されるいわれはない!』
『最後に一つくらい、私の言う事を聞いてくださいませよ、姫様・・・』
シワにたまった涙を拭ったたけは笑っていたが、決心は変わらぬと伝わった。
『・・・・・・たけ、馬に乗れ。里まで送る!』
『そんな、めっそうもない。』
『これ以上、言う事は聞いてやらぬ。乗れ!』
たけを乗せた馬を引き、この時を少しでも引き延ばそうと、直虎はゆるゆると歩いた。
幼い頃からたけを困らせ、泣かせてばかりいた情景が浮かんでは消える。
ひとたび会えば、人は別れるしかない・・・
そんな分かり切った事が、ただつらく、悲しくてならなかった。
その夜、直虎は政次を呼び、頼み事をした。
『桔梗殿の縁談も取り持ってはくれぬか。』
『お相手は、今川の家臣にございますか?』
『北条じゃ。北条ならば、今川の唯一の味方。今川に怪しまれる事もなかろうし、動きを知りたいところでもある。』
一瞬だけ、感嘆した様な色を顔に出し、すぐに無表情に戻ると政次は言った。
『・・・・・なかなかよろしきお考えかと。』
直虎が書類に目を通していると、弥吉が血相を変えてやってきた。
『な、直虎様、い、一大事にございます!た、たけが死んだかもしれませぬ!』
なんでも、たけの幽霊が出たと言うのだ。
『どこ、どこじゃ?』
『ここ!ここに現れたのですが・・・・。』
見ると、廊下の奥から祐椿尼とたけが歩いてくる。
『・・・・・たけ?』
たけ・・・?いや、たけにそっくりの若い女がバっと平伏した。
『たけの姪で梅というそうです。自分の後を。と、たけが頼んでくれたのですよ。』
と祐椿尼が言った。
『梅と申します。以後、よろしゅうお願い申しあげまする、殿。』
『よろしゅう頼むぞ。梅!』
井伊から駿府へ桜が嫁いでいった頃、徳川の嫡男・竹千代の元へも、織田から徳姫が嫁いできた。
それに伴い、瀬名も総持寺から岡崎城へ移る事になった。
そしてある日、政次から報告を受けた。
北条氏照の家臣・狩野一庵の子息が、桔梗との縁組として決まったのだ。
『うむ、よいところじゃな。』
そこに方久が駆け込んできた。
『どうした?』
『材木の売り先が見つかったと、中村屋より知らせがございました!』
『でかしたぞ、方久!』
この出来事が、井伊にとってかつてない大きな実りをもたらす事になろうとは知るよしもなかった。
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織田信長役の市川海老蔵さんが、とうとう登場しましたね~!
しかし、えらい迫力あったわ~。。。
家康を、弟呼ばわりしてたのを見て、ん?阿部サダヲ(47歳)に市川海老蔵(39歳)が『弟よ』っていってるのがなんか変な感じ。。。と思ってしまったのは、私だけ?
でも、織田信長はともかく、徳川家康ってこんな感じ(性格)やったんやろか??
織田信長に対しての恐れ具合がハンパないやん!って感じで、阿部サダヲさんがいい味出してたなぁ。。。
織田信長の怖さを伝えたり、争い事に対して尻込みした様な意見をいう姿に、妻の瀬名も呆れ顔。
でも、確かに祐椿尼が言う様に、瀬名はかなりの玉の輿になってるよねー。
元々は、確か今川氏真と結婚したかった訳やんね。
で、その今川氏真をも超える勢いで、大出世してる家康。
こりゃ、大逆転玉の輿ってやつやろね。
それと、しの久々に見たわ~!
もう『しのめっ!』ってムカつく時がないのが、少し寂しい・・・^^;
意外に好きやったんかも。。。(^^)
関係ないけど、メガネ取ってる光浦靖子さんを、今回マジマジ見たら、かなり老けて見えたのがびっくり・・!
あと、庵原助右衛門朝昌が登場してたけど、あの若い男性俳優って、どっかで見た事ある・・・と思ったら、ゴウカイジャーの『ゴウカイブルー』役やった山田裕貴君やん。
爽やかな感じで、庵原助右衛門朝昌役を演じてたねー。
あと、演じるで思いだした!
今回、さすがやなーと思った俳優さんを言うと。。。
まずは、南渓和尚役の小林薫さん。。。
『もう、おとわはおらんのじゃのう。つまらんのう。』って言った表情と演技が、なんだか惹きつけられたなぁ。。。
あとは・・・
ちょっとぉ~。
涙出たっちゅーねん!たけっ!
と思ったら・・・
ちょっとぉ~。
笑ったやん~!うめっ!
さっき、少し涙浮かべたやつ返して!って思ったわ。。。
てか、あの演出いる~?!
たけ役の梅沢昌代さん、もうちょい若い役やりたい!ってなったん?
んで、梅沢昌代なだけに、『うめ』ってか?
ん~・・・あの演出いるのか・・・?解らん・・・
あと、今回の政次はあんまり登場なかったけど、直虎と碁をうってる時、直虎が自分の周りに感謝する。的な事を言った時、
『驚きです。今までお解りでなかったのは。』って・・・
さすが、サラッと言うイヤミは、政次ならではやね。
やる~!
最後に徳川家康の息子の竹千代に徳姫との縁談が決まりましたねー。
これが、後に瀬名こと築山殿が、えれー目に合う事に繋がるんですよねー。
まじ、怖いですね。。。
こちらに詳しく紹介しています。 ↓
【おんな城主直虎】せなは松平元康に見捨てられる?何故今川の人質だったの?
しかし、戦国時代は、ホント怖いですね。。。^^;